“騙し合い”の果てに見えた覚悟 『DREAM STAGE』が問いかける後悔しないための生き方
金曜ドラマ『DREAM STAGE』(TBS系)第7話は、“騙し合い”に満ちた1時間だった。最初に仕掛けてきたのは、「私をこの事務所に入れてくれないか」と思わぬ提案をしてきたパク・ジス(キム・ジェギョン)。チェ代表(イ・イギョン)のモラハラに耐えかねて飛び出してきたそうだが、プロデュース業は続けたいという。そして、これまでTORINNERに注いできた情熱を、今度はNAZEへ向けると宣言する。
当然ながら、かつて彼女に裏切られたことのあるナム(ハ・ヨンス)は警戒を解かない。NAZEのメンバーやマネージャーの水星(池田エライザ)も半信半疑だ。そんななか、吾妻(中村倫也)だけは「OK、いっしょにやろう」と即答。「俺のプライドはNAZEを育てることだ」とさらりと言い切る姿には、覚悟と、何か別の思惑もにじむ。
ジスと並んで「最強バディの誕生だ!」と肩を組む吾妻。その期待に応えるように早速、ジスはNAZEの“仲の良さ”という魅力を「良さであり、壁でもある」と見抜いてみせた。メンバーがお互いをリスペクトする関係性は理想的。だが、それが馴れ合いに転じた瞬間、成長は止まるという、鋭くも本質を突く指摘だった。
そんなNAZEの殻を破るためにジスが打ち出したのは、“セカンドオーディション”。結果次第では2名を脱退させるという非情な展開に、グループ内に緊張が走る。しかしそれは、吾妻もまた必要だと感じていた“劇薬”だった。
デビューはゴールではないのだ。新しい顔をファンに提示できなければ、生存競争を勝ち抜くことはできない。どれほどの強みがあっても、進化することができなければ「0点」。そんな厳しい現実を、ライバルであるTORINNERを育ててきたジスから突きつけられる重みは格別だ。
吾妻自身、NAZEとの距離感にどこか迷いを感じていたのだろう。メンバーとの距離が、リスペクトと馴れ合いの境界で揺れていたタイミングで現れたジスは、まさに渡りに舟だった。彼女がNAZEのもとを訪れた理由に、他の“何か”があると察しながらも、それさえも利用してみせる。その計算高さと、あえて騙されたふりができる胆力。すべては「NAZEを育てる」というプライドに基づく選択だった。
“クビになりたくない”と動揺するメンバーのなかで、「NAZEを抜けるなら僕しかいない」とジスに直訴したのは、グループのムードメーカーであり“お母さん”的存在のアトだった。仲間を守るために、あえて仲間を欺く。誰にも悟られぬよう明るく振る舞いながら、覚悟を固めた彼の自己犠牲を思うと胸が締めつけられた。