鈴木亮平、デビュー20年を経ての演じることへの思い 「楽しくて、難しいからこそ悔しい」

 1月18日よりスタートするTBS日曜劇場『リブート』。主演を務めるのは、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』に続いて、脚本家・黒岩勉と再タッグを組む鈴木亮平だ。

 彼が演じるのは、妻殺しの濡れ衣を着せられた平凡なパティシエ・早瀬陸。真実を暴くため、家族と過去を捨て、悪徳刑事・儀堂歩の「顔」に変えて(=リブートして)他人に成り済ますという、前代未聞の“エクストリームファミリーサスペンス”が幕を開ける。

 2006年の俳優デビューから20周年という節目の年を迎えた鈴木。パティシエと刑事、そして「刑事を演じるパティシエ」という極めて複雑なレイヤーを持つ難役にどう向き合ったのか。脚本に惚れ込んだという本作の魅力から、20年を経てたどり着いた演技への境地、そして「鈴木亮平」というパブリックイメージとのギャップまで、じっくりと語ってもらった。

「脚本に惚れた」黒岩勉との再タッグ

――本作は黒岩勉さんが3年かけて構想した超大作です。オファーを受けた際の心境は?

鈴木亮平(以下、鈴木):たった3年で、よくこんな物語を思いつくなと思いました。3年の間に、僕は『TOKYO MER』でお世話になっていますし、他にもたくさんの名作を作られている中で、「こんなに素晴らしいストーリーを温めていたんだ」と驚愕しました。

――この作品に出演したいと思った一番の決め手は何ですか?

鈴木:とにかくストーリーが面白くて、脚本に惚れました。あとは撮影から放送までに時間があったので、仕上げも含めて丁寧に作れる作品になるんじゃないかな、という思いもありました。

――いつもそういった基準で出演作を選んでいるのでしょうか?

鈴木:毎回違いますね。監督、プロデューサー、脚本家、共演者など誰とやれるかも大切にしています。その時々で変わりますが、今回はやっぱり脚本が一番でした。

――平凡なパティシエ・早瀬陸と悪徳刑事・儀堂歩の二役を演じる中で、大変なことはありましたか?

鈴木:一人二役ではあるけれど、実はそうとも言い切れなくて。悪の刑事と、その刑事に顔を変えたパティシエの二役をやるんですが、そのパティシエもどんどんダークヒーローになっていくというか、悪の道にも手を染めていく。だんだん演じているはずの刑事と自分の境目があやふやになっていったりするので、一人二役という印象はあまりないんです。

――顔を変えて、“今日はこっちの役を演じる”というわけではないんですね。

鈴木:そうなんです。なので、メイクも特に変えていないですね。その人になりきらなければ、家族の元に戻れず、自分も殺されるかもしれない。そんな状況の中で完璧になりきっている設定なので、“変える”というのはあまり意識していなかったです。

――聞いているだけで、頭が混乱しそうです……。

鈴木:そうですよね(笑)。ただ、それって俳優に近いのかなという気がしていて。わかりやすく「今、素に戻っています、今演じています」と演技する方法もありますが、今回は生き残るために、必死にわからないように演じている。観ているお客さんも騙せるくらいに自然じゃないといけないんですよね。でも、その中に漏れてきてしまう演技初心者ならではの“あるある”があって。力が入りすぎて過剰にやってしまったり、逆にすごく抑えめな演技をしてしまったり。初めて一日演技をして帰ってきた後って、すごく疲れるんだよなとか、そういう“あるある”は楽しみながら入れていったつもりです。

――これまでにたくさんの役を演じられていますが、今回、初体験だったことはありますか?

鈴木:“日常を演じている人”を演じるのは初めてですが、それ以外に「初めて」という感覚は特になくて。前半は1話につき1日ずつ進んでいくんですが、撮影は時系列通りではなく「今日は第7話、今日は第2話」というかたちで進んでいったので、「声も表情も、今どれくらい役が染み込んでるんだっけ?」と。極限の状況で、日々変わっていく人を時系列に関係なく演じるという点で、大河ドラマを思い出しましたね。

――バディとなる幸後一香を演じる戸田恵梨香さんとは、映画『予告犯』以来10年ぶりの共演です。

鈴木:前回は僕が気を失っていて、そこに戸田さん演じる刑事が入ってくる、という絡みしかなかったので、10年ぶりとはいえ、ほぼ初めてですね。でも、“儀堂と一香”という意味では、すごく相性が良かったんじゃないかなと思います。

――というと?

鈴木:戸田さんはいつも明るくて話しやすい方なんですが、すごく知的で、細かく台本を読み込んで、それを現場でみんなにシェアしてくれるんです。コミュニケーションを重視して作ってくださる方で、この作品はそれが一番大事だったなと思っていて。みんながみんな嘘をついていて、誰が味方で誰が敵か、最後までわからない中で、どう演じるべきなのか。今の状況をお互いに完全に理解しながらやる必要がありましたし、コミュニケーションを重視するところが僕とすごく似ていると感じて。戸田さんじゃなければ、あの役はできなかったと思います。

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