吉沢亮&板垣李光人が『ばけばけ』で再会! 改めて味わう“『バババ』コンビ”の魅力
そして、この初対面が一段楽しく見えるのは、『バババ』の記憶がしっかり残っている視聴者もいるからだろう。実写映画で吉沢が演じた森蘭丸は、銭湯に住み込みで働く美青年……なのだが、その正体は450歳のバンパイア。板垣が演じる李仁は、銭湯のひとり息子で、蘭丸が狙うのは18歳童貞の血。李仁の成長と純潔を見守ってきた蘭丸が、李仁の恋によって危機に陥り、「童貞喪失阻止作戦」へ突っ走るという設定だけで強いのに、なぜか成立してしまうのは、2人の距離感とテンポが気持ちよく噛み合っていたからだろう。
『バババ』の面白さは、奇抜な設定そのもの以上に、「守りたい(守り抜きたい)」が空回りし、勘違いとすれ違いが連鎖していくところにある。蘭丸は冷静な顔をしながら内心は大慌てで、李仁はまっすぐで無防備。温度差がそのままテンポになって話が加速していく。その転がり方を知っていると、『ばけばけ』第68話で、説明不足が誤解を呼び、場がじわじわと崩れていく流れにも、どこか『バババ』を思い出す瞬間がある。もちろん作品の質感は違う。それでも「会話が噛み合わないのに状況だけ進む」あの感じは、確かに共通していた。
さらに、もうひとつの共演作として外せないのがNHK大河ドラマ『青天を衝け』だ。吉沢は渋沢栄一、板垣は徳川昭武を演じ、パリ万国博覧会へ向かう“パリ編”で同じ時間を重ねた。昭武は将軍の名代として若くして大役を背負い、栄一はその隣で段取りや交渉を引き受けながら支えていく。無邪気に笑い合う関係というより、背負うものの大きさが二人の距離を近づけていく、そんな並びが印象に残っている。だからこそ、『ばけばけ』で錦織と三之丞がようやく同じ場に立った瞬間、「この2人が同じ画面にいる」というだけで少し見え方が増す。『バババ』で見せた軽やかな掛け合いとはまた違う形で、2人の関係性が見えてくるのが面白い。
2025年に『バババ』で共演した2人が、今度は朝ドラ『ばけばけ』で同じ画面に並んだ。これだけで、視聴者にとっては十分うれしい出来事だろう。さらに『青天を衝け』での共演も思い出すと、吉沢亮と板垣李光人が並ぶ場面には、作品ごとに違う魅力が重なって見えてくる。『ばけばけ』の中で、この組み合わせがこれからどんな場面で生きていくのか。次に2人がどのような形で並ぶのかにも注目したい。
■放送情報
2025年度後期 NHK連続テレビ小説『ばけばけ』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:髙石あかり、トミー・バストウ、吉沢亮、岡部たかし、池脇千鶴、小日向文世、寛一郎、円井わん、さとうほなみ、佐野史郎、北川景子、シャーロット・ケイト・フォックス
作:ふじきみつ彦
音楽:牛尾憲輔
主題歌:ハンバート ハンバート「笑ったり転んだり」
制作統括:橋爪國臣
プロデューサー:田島彰洋、鈴木航、田中陽児、川野秀昭
演出:村橋直樹、泉並敬眞、松岡一史
写真提供=NHK