FRUITS ZIPPER 仲川瑠夏が映画の配給・宣伝を学ぶ A24作品で知られる配給会社社員と対談

根底にある“映画が好き”という思い

仲川瑠夏

仲川:作品の宣伝方針はどういう流れで決めていくんですか?

池田:まず、作品に関わる担当者全員で作品を観たあとに、宣伝チームで集まって、どういうコンセプトで、どういうテーマでお客さんに伝えるかを決める会議をします。簡単に言うと、その作品のどのポイントを立たせて売るか。そこからそのコンセプトに沿ったポスタービジュアルや予告編などの宣伝物を作っていきます。本国版のビジュアルをベースに日本版を作ることもあれば、イラストレーターさんに依頼してガラッとイメージを変える場合もあります。ポスターや予告編が完成したら、リアルサウンド映画部さんなどメディアの方々にリリースをお送りしてニュースとして取り上げてもらったり、公開前には試写会を開いてSNSで感想を投稿してもらったりして、メディアへの露出を広げていきます。

仲川:ポスターでその作品の印象がものすごく変わりますよね。

池田:本当にその通りで。あとは邦題を決めるのも非常に難しいんです。例えば、9月26日公開の『テレビの中に入りたい』という作品は、原題が『I Saw the TV Glow』なのですが、そのままカタカナにしたり日本語に直訳したりすると、どんな映画か伝わりにくいという話になり、社内で議論した末に『テレビの中に入りたい』というキャッチーな邦題になりました。

仲川:原題と邦題がまったく違うタイトルのとき、「誰がどうやって決めてるんだろう」って思ってました!

池田:逆に、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』という映画は、原題がそのまま『Civil War(原題)』なのですが、直訳すると「内戦」を意味する『シビル・ウォー』だけだと少し映画のイメージが湧きにくいという考えから、「アメリカ最後の日」という副題を付けました。伝わりやすさは大事なのでですが、映画ファンの方から「原題から変えないでほしかった」というお声をいただくこともあって。そのあたりのバランスを考えながらベストな道を選ぶのが、われわれ宣伝の仕事なんです。

(左から)仲川瑠夏、小椋沙暉氏、池田友佳氏

小椋:日本側で邦題を決めたあと、海外の版元に許可を取る必要もあるんです。時には、監督本人から「そのタイトルはどうなんだろう」と難色を示されることもあって。そういうときは、「日本の文化ではこう伝えたほうがいい」と伝えながら、最終的に決めていきます。

仲川:邦題を決めるのにもそれだけのプロセスがあるんですね! ちなみに、お二人はなんで配給会社に入ろうと思ったんですか?

小椋:私はまだ歴が浅く去年入社したばかりなんですけど、昔から映画が好きで、映画の仕事をしたいなとずっと思っていたんです。それでハピネットファントム・スタジオを受けたら、たまたま受かることができました。映画に携わる仕事って、クリエイティブなことをやっていた人しかできないのかなと思っていたんですが、転職活動をしているときに、海外とやり取りする部署があることを知ったんですよね。私はもともと英語の勉強をしていたので、そういう携わり方もあるんだなと。

仲川:やっぱり“映画が好き”というのが根底にあるんですね!

池田:私もそうですね。私の場合は大学生の頃にミニシアターで映画をよく観るようになって、映画はもちろん、映画館という空間が好きになりました。映画って、観る人によって受け取るメッセージはそれぞれで、良かったとかつまらなかったとかも含めて、必ず心が動かされるものだと思うんですよね。しかも、映画を通して誰かの人生を体感できる。それがすごく素敵だなと思って。私も宣伝部での仕事は5年目で、もともとは別の部署で営業をやっていたりしたんですが、異動届を出して今に至ります。

(左から)池田友佳氏、仲川瑠夏、小椋沙暉氏

仲川:私も小さい頃からずっと映画が好きで、映画に携わる仕事がしたいとずっと思ってきたんですけど、携わり方が全然わからなくて……。お芝居をやりたいと思ったことは一度もないんですが、何か裏方として映画に携わりたいという気持ちがずっとあったんですよね。なので、もしアイドルをやっていなかったら、絶対に映画に携わる仕事に就きたかったなって。それで今年は『映画おしりたんてい スター・アンド・ムーン』で主題歌を担当させていただいて、初めてエンドロールに名前が載ったんです。それに本当に感動して。映画にコメントを出させていただくお仕事も本当に楽しかったので、機会があればぜひよろしくお願いします!

池田:こちらこそぜひ! 仲川さんのような影響力のある方に作品を注目していただけると、より幅広い層の方に映画を観ていただけるきっかけになると思うので、本当に嬉しいです。

小椋:今後はアリ・アスター監督の新作『エディントンへようこそ』(12月12日公開)などの話題作も控えているので、ぜひご期待ください!

仲川:ドウェイン・ジョンソンが来日する際はなんとしてでも協力させてください!

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