FRUITS ZIPPER 仲川瑠夏が映画の配給・宣伝を学ぶ A24作品で知られる配給会社社員と対談
大の映画好きとして知られている仲川瑠夏(FRUITS ZIPPER)による、“映画”に特化した短期連載企画がリアルサウンド映画部で実現。映画にまつわる熱い思いを語ってもらった前回に続き、第2回では、ハピネットファントム・スタジオの池田友佳氏と小椋沙暉氏をゲストに迎え、映画の配給・宣伝について語り合った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
FRUITS ZIPPER 仲川瑠夏が“映画愛”を熱弁! オールタイムベストや推し俳優への熱い思いも
5月14日に3rdシングル『KawaiiってMagic』をリリースし、音楽番組やバラエティ番組などにも引っ張りだこのアイドルグル…映画を買うのにはいくらかかるのか?
ーー前回のインタビューで「映画の宣伝のことをもっと知りたい」と話されていたので、今回は映画の配給・宣伝についての対談企画をセッティングしました。仲川さんがお好きなA24作品を配給しているハピネットファントム・スタジオから、宣伝・マーケティングチームの池田さんと国際チームの小椋さんにお越しいただきました。
池田友佳(以下、池田):宣伝部の池田です。作品をお客様にどう伝えるかを考える宣伝の仕事をしています。今日はよろしくお願いします!
小椋沙暉(以下、小椋):国際チームの小椋です。海外から映画を買い付けて、日本で配給する際の海外の版元とのやり取りを担当しています。よろしくお願いします!
仲川瑠夏(以下、仲川):FRUITS ZIPPERの紫担当、仲川瑠夏です! あだ名は「るなぴ」なので、気軽に「るなぴ」と呼んでくださると嬉しいです。よろしくお願いします!
ーーまずはハピネットファントム・スタジオについて、簡単に教えていただいてもいいですか?
池田:もともとは2003年設立の「ファントム・フィルム」という会社で、長らく邦画・洋画の配給を行っていました。2025年4月に「ハピネット・メディアマーケティング」という会社と合併し、現在は「ハピネットファントム・スタジオ」というレーベルで映画事業を続けています。
小椋:私たちの強みは、海外から作品を買ってきて、お客様に届けるための宣伝や、いつ映画館で上映してもらうかを決める営業まで、すべて社内で一貫して行っている点です。
仲川:なるほど! 買い付けから営業、宣伝まで、すべてやられているんですね。
小椋:はい。特に洋画については、どの作品の権利を買い、日本で配給するかを、社内の会議で決めています。脚本を読んだり、字幕がない英語の状態の作品を観て、「これは日本で売れるか?」を検討します。
仲川:ハピネットファントム・スタジオさんが買い付ける映画には、何か系統や基準があるんですか?
小椋:ジャンルは幅広いですが、会社としては作家性の高い作品やクオリティの高い作品を意識して選んでいます。監督の意識や作家性を大切にしている点は、A24作品の特徴とも通じますし、私たちが企画・制作する邦画にも共通する意識です。
ーー洋画はもちろん、邦画の制作・配給も行っているんですよね。
小椋:そうなんです。最近だと、カンヌ国際映画祭でコンペティション部門に選出された早川千絵監督の『ルノワール』や、同じくカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞した山中瑶子監督の『ナミビアの砂漠』のように、国際的・社会的なテーマを扱った作品を配給することが多いです。
ーー映画の仕事をしている立場から見ても、「映画ファンから厚い支持を得ている配給会社」という印象です。仲川さんは邦画はあまり観ないんですよね?
仲川: 普段は洋画ばかり観ています。『ブラックアダム』や『エクスペンダブルズ』のようなアクション系も好きですし、『哀れなるものたち』のようなアート系も大好きで。あと『ミッドサマー』とかも好きです。
池田:『ミッドサマー』は弊社で配給した作品です!
仲川:えー、嬉しい! あの明るいのにめちゃくちゃ怖い世界観がすごい好きです。カルト系は大好きなんです。
小椋:A24の作品には、カルトや少し怪しい宗教をテーマにしたものが多いんですよね。ただ今後はもっといろんなジャンルの作品も出てきます。
ーー前回お話しいただいた、仲川さんが撮影現場を訪れようとしたドウェイン・ジョンソン主演の『The Smashing Machine(原題)』もハピネットファントム・スタジオさん配給ですね。
仲川:ドウェイン・ジョンソンが日本で撮影していると聞いて、どこで撮影しているのかを調べて友達と一緒に撮影現場に行こうと試みたんですよ(笑)。結果的に私は行けなかったんですけど、友達はドウェインの写真を撮ってました。本当に会いたかったです!
小椋:『The Smashing Machine』は今までにないドウェイン・ジョンソンの姿が見られる作品になると思います。強くてカッコいいだけでなく、彼のヒューマンドラマ的な演技も評価されていて。仲川さんはなんでドウェイン・ジョンソンがお好きなんですか?
仲川:ドウェインは昔から映画で観ていて、どの作品でも大体強いし、カッコいいので、沼にハマっていきました。人間性もすごく素敵で、パパになってほしいぐらい(笑)。
一同:(笑)
仲川:ちなみに、映画を買うのって一体いくらぐらいかかるんですか? めっちゃ気になります!
小椋:それは……ノーコメントで(笑)。
一同:(笑)
池田:キャストが有名な作品だとどうしても金額が跳ね上がりますが、A24作品のように、まだ有名ではないけれど才能のある監督やキャストの作品は、製作費にかかわらず大ヒットすることがありますね。
小椋:ですので、どの映画がヒットするかを事前に見極めて買い付けを行う必要があります。ただ今は弊社がA24とパートナーシップ契約を結んでいるので、A24作品については弊社で配給できることになっています。
仲川:おー、すごい! それは安心ですね。
小椋:買い付けは、カンヌやベルリン、トロントといった世界の映画祭がメインになります。映画業界の人たちが集まる現地に行って、商談をして決めることが多いです。