『チェンソーマン レゼ篇』をもっと深く楽しめる? 本編の“意外と気づかない”小ネタ

『ボーボボ』魚雷ガールとの意外なつながり

 さらにレゼが変身した姿であるボムのキャラクターデザインについて、SNS上では『ボボボーボ・ボーボボ』に出てくる魚雷ガールを思い出したという声が上がっているが、これはたんなる偶然ではなかった模様。小冊子『恋・花・チェンソー・ガイド』にて藤本は、爆弾×女性という要素が共通することからデザインが引っ張られてしまったと明かしている。

 その一方、画面のアスペクト比が途中で変わるのも印象的な仕掛けの1つ。本編は横長のシネマスコープと呼ばれるフォーマットとなっているが、ED後にはTVアニメのようなアスペクト比に変わっているのだ。これはレゼとデンジの物語に一つの終止符が打たれたことを示唆しているのかもしれない。あるいは、映画という非日常から日常へと戻っていくという含意としても解釈できそうだ。

意味が分かると怖いデート描写

 そのほかネタバレになるため詳細は伏せるものの、序盤で描かれたデンジとレゼの映画デートでは“意味が分かると怖いシーン”が存在する。それは別れ際にデンジから「俺に心ってあると思います?」と尋ねられたマキマが、デンジの胸に耳を寄せるというカットだ。一見小悪魔的な行為で、デンジもひたすらにドギマギするばかりだが、心臓の鼓動を聞くという行為がもつ意味は、物語が進むにつれて悪い意味で大きく変わっていく。しかもアニメ版の方ではそこで呼吸をして匂いを嗅いでいるようにも受け取れるため、より恐怖度が増していると言えるだろう。

 知っておくと、より内容をいろいろな角度から楽しめるようになる『チェンソーマン レゼ篇』の小ネタ。今後もう一度観に行きたいと考えている人は、参考にしてみてほしい。

■公開情報
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』
全国公開中
キャスト:戸谷菊之介(デンジ)、井澤詩織(ポチタ)、楠木ともり(マキマ)、坂田将吾(マキマ)、ファイルーズあい(パワー)、高橋花林(東山コベニ)、花江夏樹(ビーム)、内田夕夜(暴力の魔人)、内田真礼(天使の悪魔)、高橋英則(副隊長)、赤羽根健治(野茂)、乃村健次(謎の男)、喜多村英梨(台風の悪魔)、上田麗奈(レゼ)
原作:藤本タツキ『チェンソーマン』(集英社『少年ジャンプ+』連載)
監督:𠮷原達矢
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
副監督:中園真登
サブキャラクターデザイン:山﨑爽太/駿
メインアニメーター:庄一
アクションディレクター:重次創太
悪魔デザイン:松浦力/押山清高
衣装デザイン:山本彩
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
カラースクリプト:りく
3DCG ディレクター:渡辺大貴、玉井真広
撮影監督:伊藤哲平
編集:吉武将人
音楽:牛尾憲輔
配給:東宝
制作:MAPPA
主題歌:米津玄師「IRIS OUT」(Sony Music Labels Inc.)
エンディングテーマ:米津玄師、宇多田ヒカル「JANE DOE」(Sony Music Labels Inc.)
©2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
公式サイト:https://chainsawman.dog/
公式X(旧Twitter):@CHAINSAWMAN_PR

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