木村拓哉×新世代キャストの化学反応に期待大 『教場』2部作で描く“再会”と“鎮魂”
木村拓哉が主演を務める映画『教場』が2部作で公開される。前編『教場 Reunion(リユニオン)』がNetflixで2026年1月1日より独占配信、後編『教場 Requiem(レクイエム)』が2026年2月20日より劇場公開される。
木村と監督の中江功、脚本に君塚良一が再集結した『教場』シリーズの集大成となるプロジェクトで、風間(木村拓哉)と対峙する第205期生徒キャストも発表された。写真記録係を託される門田陽光役の綱啓永、優等生の重圧に苦しむ星谷舞美役の齊藤京子、冷静で観察眼に優れる氏原清純役の倉悠貴、警察官の父を持ち教官にマークされる矢代桔平役の佐藤勝利(timelesz)、絵が得意な渡部流役の猪狩蒼弥(KEY TO LIT)、そのほか中村蒼、金子大地、井桁弘恵、大友花恋、大原優乃らが出演する。
Netflix配信と劇場公開の2部構成という前例のない展開を実現した背景には、『教場』シリーズのクオリティに対する信頼が根底にあると考えられる。世界同時視聴で高まった熱量と勢いのまま、劇場版で大団円を迎えるという青写真を見て取ることは容易だ。それだけのブランドと物語性が『教場』にはある。
それを可能にしたのが木村の存在だ。1990年代後半から2000年代前半にかけてのドラマ史上に残る黄金期を経て、現在の木村は第2のキャリアのピークを迎えつつある。2024年末に公開され、興行収入42億円を突破した『グランメゾン・パリ』に代表される大人の渋みや生き方を演じられる役者として、同世代から支持を集める。その木村にとって“背骨”となった作品が『教場』である。生徒たちに試練を与えながら、正しい道に導く風間は“大人”の象徴といえるだろう。
2部作の前編『Reunion』は再会を意味する言葉だが、警察学校に集った生徒そして配信を通じて視聴者自身も教官の風間と対峙し“再会”する構図になっている。後編『Requiem』で、私たちは物語の完結を見届けることになる。配信と劇場を横断することで、『教場』の世界を体験できる仕掛けだ。
第205期生徒役のうち、齊藤京子は2024年に日向坂46を卒業後、女優業に本格シフト。主演作『泥濘の食卓』(テレビ朝日系)では、抑制した芝居と劇場激情のコントラストを表現し、深田晃司監督の映画『恋愛裁判』(2026年1月公開予定)では、恋愛禁止の掟を破ったアイドルを演じて、第30回釜山国際映画祭と第78回カンヌ国際映画祭で上映された。繊細な感情の機微を表現する演技力で、優等生の“強さと脆さ”をどう描くか注目だ。
timeleszの中心メンバーとして活躍する佐藤勝利は、『赤いナースコール』(テレビ東京系)で恐怖心と好奇心の狭間で揺れ姿姿を演じ分けた。パフォーマーとして培った身体表現とともに、今作で冷静さとその裏に潜む衝動をどう見せるかに期待がかかる。
綱啓永は、『ばらかもん』(フジテレビ系)での自然体の演技や『君の花になる』(TBS系)で見せた繊細さは、若手俳優が顔をそろえる『教場』の画面でも存在感を放つだろう。綱がもたらす人間的な揺らぎは、風間と対峙することでどのように変わっていくだろうか。
それぞれの個性が、木村演じる風間の空気と交わるとき、そこに立ち上がる化学反応。世代も価値観も異なる生徒たちは、風間とどのように向き合い、何を受け継ぐのか。『教場』という作品の核にある、人格と人格の触発、また教え導くことの意味が、より立体的に浮かび上がるはずだ。「Reunion」そして「Requiem」へ。最終章を示唆する2部作は、物語の真の結末を照らし出すことになるだろう。『教場』が伝えようとするメッセージに耳を澄ませたい。
■公開情報
映画『教場 Reunion』
2026年1月1日(木)よりNetflixにて配信開始
映画『教場 Requiem』
2026年2月20日(金)より劇場公開
出演:木村拓哉、綱啓永、齊藤京子、金子大地、倉悠貴、井桁弘恵、大友花恋、大原優乃、猪狩蒼弥、中山翔貴、浦上晟周、丈太郎、松永有紗、佐藤仁美、和田正人、荒井敦史、高橋ひとみ、佐藤勝利、中村蒼、小日向文世
原作:長岡弘樹『教場』シリーズ/『新・教場』『新・教場2』(小学館刊)
脚本:君塚良一
監督・プロデュース: 中江功
配給:東宝
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