戸谷菊之介×楠木ともり、再びの共演で感じ合った刺激 「“これこれ!”みたいな気持ち」
“田舎のネズミと都会のネズミ”どっちがいい?
——「レゼ篇」を象徴する場面として、レゼがデンジに「田舎のネズミと都会のネズミ」のどちらが好きかを尋ねるシーンがあります。お2人はどちらが好きですか?
戸谷:議論しましょう……。
楠木:対決だ。
戸谷:僕は都会のネズミが好きで、やっぱり僕がこの業界に入ったのは強い憧れがあったからなんですね。「彼らのようになりたい」と思って今こうしていますし、アフレコでもその他の仕事でも毎日刺激を浴びまくって自分が成長している実感があります。そういうことは都会でしか味わえないものだと思うし、自分の予想外の方向に自分が変わっていくのがすごく楽しいので、都会は素晴らしい場所だなと思います。「都会でしか経験できないことを知らないまま死にたくない」という思いを強く持っていました。
楠木: 私は「自分がネズミとして生きるなら」と考えると田舎派です。私は逆にずっと東京で生まれ育ったので、良くも悪くも自分が追い求めなくても刺激を浴びてきました。いろいろなものが溢れていて、そこから取捨選択するのが都会だと思っていて、田舎は逆に自分で探さないと楽しいことにも辛いことにも出会えない。ある意味退屈でもあるけど、自分で自分の楽しさの価値を決められるのがいいことだなと思います。周りが楽しいと言っているから自分もそう感じるというものより、自分自身が楽しいと感じられる事実のほうが大事だと思うことが最近増えてきて……。そう考えると田舎向きなのかなという気がします。
—— 素敵なお考えだと思います。
戸谷:……「なるほどな」と思いました。
楠木: (笑)。
——楠木さんはお仕事をするなかで自分なりの楽しさを見つけられた瞬間はありますか?
楠木: デビューしたての頃は憧れている先輩像とかがあって、例えばお仕事の中で生放送やラジオをしているときに「こういうトークをすれば楽しんでもらえるだろう」みたいな考えがあったけど、もちろんそう感じてもらえることも大事ですが、あくまでも自分自身も楽しいと思えることを話していないと、なにかぽっかり穴が開いた感覚が漠然とあって。経験を重ねるなかで自分が話したいことやおもしろかったと思えることを発信すること、「自分が楽しい」という気持ちをすごく大事にしているかなと思います。
——都会派の戸谷さんはいかがですか?
戸谷:おっしゃる通りで……たしかになんというか、ラジオとかでも僕も最初は「こういうトークができればいいんだ」みたいに思っていたんですが、それを真似しているだけだと自分の言葉にならないというか。ただ漠然とおもしろくなるように何かを真似しているだけになってしまっているなと途中で気づいて。逆にしょうもない話を永遠とするほうが僕は楽しいなと。これが自分の喋りたいことで、おもしろいかつまらないかは聞いている人が判断することだなと思うことが増えてきたと、いま聞いていて思いました。
楠木: じゃあ田舎派なんですか?
戸谷: ……それは認めたくないです。
楠木:(笑)。
戸谷: でも「これが田舎ということなのか……?」という疑問が今沸いてきました。
——この一瞬で楠木さんに影響されまくってる戸谷さんがまさにデンジとマキマのような構図ですね。
楠木:(笑)。もちろん田舎で得られない刺激が都会にあるのは間違いなくて、私も都会の刺激を経験したうえで改めて「田舎もいいな」と思えているので、それぞれの良さがあると思います。
「レゼ篇」の演技のこだわり
—— 本作での役作りのこだわりを教えてください。
戸谷:『チェンソーマン』での演技はかなり僕の好きな芝居観なんです。生身の人間が喋っているようなアプローチがすごく好きで、でもそれが得意だとは言い切れなかったので、ベテランの方々ともご一緒にできてすごく学びがあり、成長できたなと感じています。
楠木:マキマのようなキャラクターはあまり他にいなくて、いろいろなニュアンスが初経験なので、模索しながら役作りをしています。でも私は「レゼ篇」のマキマがすごく好きで、原作を読んでいるときから「おや、この人何か隠し持ってるな」と感じられるシーンだったり、逆に映画デートでかわいさが見えてきたり、短いシーンでもマキマのことが掘り下げられているなと感じていて、彼女の表情が豊かに見えるのが「レゼ篇」でした。そういう意味では、マキマの新たなスタイルをどれくらい見せていくかという話も音響監督さんとはしたんですが、とはいえやっぱり“作品にとってマキマのセリフがどう作用するか”という視点を第一に考えていて。なので役作りとしては自分の感覚的に大きく変えたところがあるわけでないのですが、視聴者の皆さんにとって何か新しい発見があれば嬉しいです。
■公開情報
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』
全国公開中
キャスト:戸谷菊之介(デンジ)、井澤詩織(ポチタ)、楠木ともり(マキマ)、坂田将吾(早川アキ)、ファイルーズあい(パワー)、高橋花林(東山コベニ)、花江夏樹(ビーム)、内田夕夜(暴力の魔人)、内田真礼(天使の悪魔)、津田健次郎(岸辺)、高橋英則(副隊長)、赤羽根健治(野茂)、乃村健次(謎の男)、喜多村英梨(台風の悪魔)、上田麗奈(レゼ)
原作:藤本タツキ『チェンソーマン』(集英社「少年ジャンプ+」連載)
監督:𠮷原達矢
脚本:瀬古浩司
キャラクターデザイン:杉山和隆
副監督:中園真登
サブキャラクターデザイン:山﨑爽太/駿
メインアニメーター:庄一
アクションディレクター:重次創太
悪魔デザイン:松浦力/押山清高
衣装デザイン:山本彩
美術監督:竹田悠介
色彩設計:中野尚美
カラースクリプト:りく
3DCG ディレクター:渡辺大貴、玉井真広
撮影監督:伊藤哲平
編集:吉武将人
音響監督:名倉靖
音楽:牛尾憲輔
配給:東宝
制作:MAPPA
主題歌 : 米津玄師 「IRIS OUT」(Sony Music Labels Inc.)
エンディング・テーマ: 米津玄師, 宇多田ヒカル「JANE DOE」(Sony Music Labels Inc.)©2025 MAPPA/チェンソーマンプロジェクト ©藤本タツキ/集英社
公式サイト:https://chainsawman.dog/
公式X(旧Twitter):@CHAINSAWMAN_PR
▼戸谷菊之介×楠木ともり チェキプレゼント▼
戸谷菊之介さん×楠木ともりさんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。
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<応募締切>
10月3日(金)