2025年夏アニメは“大ラブコメ時代” 『着せ恋』『かのかり』など人気作の続編が見逃せない
『よふかしのうた Season2』
『かのかり』と同じく雨宮天がヒロイン・七草ナズナを務める『よふかしのうた』もSeason2が放送。2019年から2024年末にかけて『週刊少年サンデー』にて連載されたコトヤマによる原作をアニメ化した作品で、不登校&不眠症で深夜徘徊を繰り返す中学生・夜守コウ(CV.佐藤元)が吸血鬼の少女・七草ナズナと出会い、自分も吸血鬼になりたいと望む物語。
吸血鬼になるためには、吸血鬼から血を吸われるだけでなく、吸血鬼に恋することが必要だった。しかしコウは恋をしたことがなく、ナズナに恋をして吸血鬼になるためナズナと行動を共にするようになる。Season1では夜に救いを求める人々の姿が神秘的な夜の情景と共に描かれたほか、ナズナの吸血鬼仲間から1年以内にナズナに恋をして眷属にならなければ、コウを殺さなければならないことが告げられる。またコウの同級生・朝井アキラ(CV.花守ゆみり)が吸血鬼に襲われ、間一髪のところを探偵/吸血鬼ハンターの鶯餡子(CV.沢城みゆき)に救われるが、餡子は吸血鬼を絶滅させることを宣言し、吸血鬼・桔梗セリ(CV.戸松遥)やその眷属である秋山昭人(CV.吉野裕行)を追い詰めるなどの不穏な展開で終わりを迎えた。
Season2は、コウがナズナに恋をするためのラブ展開かと思いきや、物語は急加速。本田カブラ(CV.伊藤静)をはじめとしたナズナの知り合いの吸血鬼たちの過去や、ナズナや餡子の過去にも踏み込んで、さまざまな情報が一気に開示されていく。また、ナズナと見た目がそっくりのナース・七草ハル(CV.内田真礼)が登場し、ナズナとの関係にも注目が集まっている。
見どころは吸血鬼たちの人間だったときの過去や、初登場する眷属たちの個性の豊かさ。また、ナズナたちに迫る鶯餡子の鬼気迫る表情と、沢城みゆきによる世界観たっぷりの演技。シリアスな場面はよりシリアスに視聴者を引き込み、ナズナとコウによるコメディーシーンからは、2人の関係性が少しずつ発展していることがうかがえる。ラブコメに、ミステリー要素とバトル要素が増量されたSeason2は、少し目を離している隙に物語が一気に進んでしまうので要注意だ。
『その着せ替え人形は恋をする』Season2
『ヤングガンガン』で2018年から2025年初頭まで連載された、『その着せ替え人形は恋をする』も待望のSeason2を放送。コスプレ初心者の喜多川海夢(CV.直田姫奈)は、実家の雛人形店の跡取りとして人形作りに打ち込む五条新菜(CV.石毛翔弥)と出会い、コスプレを通して交流を深めながら、恋と青春を謳歌していく。
自分に自信がなく友だちもいなかった新菜は、読者モデルとしても活動するギャル女子高生の海夢に人形作りを褒められ、自分が作ったコスプレ衣装が評判であることや、海夢が新菜に友だちとして接してくれることから、どんどん自分に自信をつけていく。そうした新菜の成長に胸を熱くした視聴者も多いだろう。そんな新菜の、1つのことに打ち込む真剣な表情や無自覚な発言に、海夢はドキドキしていつしか恋心を抱いていく。コスプレ衣装は毎回露出が多く、海夢も大胆さを発揮してドギマギする新菜からかうが、時折見せる顔を真っ赤にして恥じらう場面が非常に乙女でかわいらしい。
作中では、コスプレ衣装が実際にどのように制作され、どのような苦労があるかなどが詳細に描かれ、メイクやカメラのコツなども描写される。耳にはするけど詳細はあまり知られていなかったコスプレ知識が満載で、本作でコスプレに興味を持った視聴者も多いようだ。Season1では、海夢が憧れるコスプレイヤーの乾紗寿叶(CV.種﨑敦美)、その妹で、カメラなどで姉をサポートする中学生の乾心寿(CV.羊宮妃那)との出会いや、海夢が新菜にどんどん惹かれて行く様子が描かれた。最後は2人でお祭りの打ち上げ花火を見て見つめ合い、楽しかった夏休みを振り返ってSeason1が終了した。Season2ではコスプレイヤーの姫野あまねが登場するなど、さらにコスプレの輪が広がっていく。
好きなことに対する気持ちを、真っ直ぐにぶつける海夢。その気持ちを人形作りに重ねて、しっかり受け止める新菜。ギャル読者モデルと職人気質の真面目高校生という、普通なら交じり合うことのなかった2人が、コスプレをキーワードに交流を深めて行く様子を、応援と憧れを含んだ気持ちで見守ってきた視聴者。Season2でも、ますます“コスキュン”すること間違いなしだ。