2021年9月に配信されると瞬く間に世界中の人気を集め、Netflix史上最大のヒットを記録した『イカゲーム』。456人の参加者が、賞金456億ウォンをめぐり命がけのゲームに参加する様子を描いた。カラフルな世界観とは裏腹に、ゲームに失敗するとその場で処刑されてしまうという残酷さや、極限状態における心理描写や人間ドラマを巧みに描いたことで、第74回エミー賞では、ドラマ部門の主演男優賞や監督賞など計6部門を受賞。6月27日から完結編となるシーズン3が配信され、再びゲームに戻ってきたギフン（イ・ジョンジェ）の戦いがついに幕を閉じる。

　シーズン2から登場し、妊娠中でありながらもゲームに参加するキム・ジュニを演じたチョ・ユリに、シーズン3で描かれたジュニの過酷な運命や、撮影時の心境について語ってもらった。

※以下、『イカゲーム』シーズン3のネタバレを含みます

物語と重なるパク・ソンフンとの信頼関係

ーー第1話「鍵と剣」は、すれ違っていたミョンギ（イム・シワン）との関係性の変化が感じられる回でした。ジュニのミョンギに対する心境の変化を、どのように解釈しましたか？

チョ・ユリ：私は、ジュニがミョンギに対して非常に失望していると感じました。同じ殺人という行為ですが、彼はのちにより残酷な殺人を犯してしまいます。そういった部分を踏まえて、ミョンギは同じ人間ではないと感じていました。ファン・ドンヒョク監督もミョンギを虫けらだと思って演技してほしいとおっしゃったので、私の解釈が合っていると感じました。

ーー第2話「星の輝く夜に」では昔の恋人であるミョンギが信頼していたヒョンジュを殺すという辛い展開でした。演じていた際の心境を聞かせてください。

チョ・ユリ：実は撮影していた時、ジュニがヒョンジュ（パク・ソンフン）を頼るように、私もパク・ソンフン先輩をすごく頼っていました。なので、ヒョンジュの死を目の当たりにしたときの感情は本当にショックの大きいものでした。その辛さが伝わるように頑張りました。

ーー第2話「星の輝く夜に」では出産のシーンもありましたが、極限状態での出産という難しい場面をどのように演じられましたか？

チョ・ユリ：出産の経験がないのでとても難しかったです。母にいろいろとアドバイスをもらいました。また、本作ではカン・エシムさんと共演しましたが、先輩にいろいろと教わって、無事に撮影することができました。