“若手俳優”岩瀬洋志に注目 『告知事項あり。』は『最高の教師』に続く出世作に?
本作の「前半」では、ヒロイン役の齊藤なぎさと奏でる不協和音が逆に心地いい、そんなシーンを連続して展開させていた岩瀬。しかし「後編」で重要になってくるのは、真山の幼い頃の体験に起因する恐怖描写だろう。試されるのは、岩瀬の“ビビり演技”が、いかにホンモノの恐怖を体感しているのであろうものへと発展していくか、ということ。私たち視聴者に抱かせるべき感情へと、いかに誘導していけるのか。たんなる“ビビり演技”では通用しない。真に迫った“恐怖演技”が必要になってくるはずである。
この重要な役どころを担う岩瀬は、数多く存在する若手俳優たちの中でも、“最若手”に分類される存在だ。彼がはじめてテレビドラマに出演したのは、『個人差あります』(2022年/東海テレビ・フジテレビ系)でのこと。しかしここからほんの数年のうちに、若手俳優が勢揃いした『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(2023年/日本テレビ系)でレギュラー出演を果たし、 『告知事項あり。』の「後編」がオンエアされる3月14日には、映画『お嬢と番犬くん』が封切りとなる。これまた粒揃いの若手俳優を中心に成立している作品だ。これらの流れから、彼が「若手俳優」の枠組みの中でどういった立ち位置にあるのかが見えてくるのではないだろうか。
『告知事項あり。』が放送されるのは、深夜帯のかぎられた時間だ。そこで彼はどれだけの功績を残すことができるのか。個人的には、うんと恐ろしい時間を提供してくれることを願っている。
■放送情報
『告知事項あり。~その事故物件で起きること~』
フジテレビ系にて放送
後編:3月14日(金) 23:40~24:10
出演:岩瀬洋志、齊藤なぎさ、宮世琉弥、袴田吉彦ほか
原作:児玉和俊『告知事項あり。 その事故物件で起きること』(イマジカインフォス刊)
脚本:市川貴幸
脚本協力:銀次郎、久望蜜
演出:森脇智延
プロデュース:江花松樹、古郡真也
制作著作:フジテレビ
©フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kokuchijikouari/