第97回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート 『ガール・ウィズ・ニードル』5月16日公開

 第97回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた映画『The Girl with the Needle(英題)』が『ガール・ウィズ・ニードル』の邦題で5月16日より公開されることが決定し、あわせて特報映像とティザービジュアルが公開された。

 『スウェット』『波紋』のマグヌス・フォン・ホーンが監督・脚本を務めた本作は、北欧史上最も物議を醸した殺人事件を基にしたゴシックミステリー。物語の舞台となるのは、第一次世界大戦後のコペンハーゲン。お針子として働くカロリーネは、工場のオーナーと恋に落ちるも、身分違いの関係は実らず、彼女は捨てられた挙句に失業してしまう。すでに妊娠していた彼女はもぐりの養子縁組斡旋所を経営する女性ダウマと出会い……。

 第82回ゴールデングローブ賞では非英語作品賞部門でノミネートされ、第97回アカデミー賞ではデンマーク代表作品として国際長編映画賞にノミネートされている。また、ポーランド映画祭では最多となる11冠を受賞し、カメリマージュ映画祭では最高賞となるゴールデン・フロッグ賞を受賞している。

 主人公カロリーネ役で主演を務めたのは、『ビッチ・ホリディ』『ウィンター・ブラザーズ』『ゴッドランド/GODLAND』などのヴィク・カーメン・ソネ。共演には、『リンドグレーン』などのトリーネ・デュアホルムらが名を連ねている。

映画『ガール・ウィズ・ニードル』特報

 公開された特報映像は、粗末な部屋に横たわる人物のカットから始まり、白と黒の陰鬱な街路を映し出す。一人の女性が扉を開けると、煙を吐き出す煙突の風景、ソファの上で泣く赤ん坊、群衆、叫ぶマスクの男、バスタブの中で息を殺す女など印象的な映像が続いていくが、どれも陰鬱で謎めいている。最後に画面は女性が「赤ん坊はどうした?」と誰かに聞かれるシーンに続き、回転するオルゴールの円盤の上に「その街では、よく人が消える」という不穏なコピーが浮かび上がる。

 あわせて公開されたティザービジュアルでは、漆黒を背景に一本の針が置かれたエレガントな雰囲気だが、針軸には「その街では、よく人が消える」というコピーが書かれ、針穴を覗くとそこには膝を抱えた女性がうずくまっている意味深なデザインとなっている。

 ホーン監督は本作について「『ガール・ウィズ・ニードル』は大人のためのおとぎ話です」と語り、「時を超えて語られる国民的トラウマは、今日でも社会の恐怖に目をつぶることが何を意味するのかを私たちに思い起こさせてくれるでしょう」と本作の意義を述べている。

マグヌス・フォン・ホーン監督 コメント

『ガール・ウィズ・ニードル』は大人のためのおとぎ話です。私は、はるか昔に起こった物語を語る際にこの手法を選びましたが、現代の私たちにとって非常に身近な問題、つまり貧困に陥り苦難を強いられる人々をどう描くかというテーマが含まれています。そしてまた、本作はデンマーク史上最も物議を醸した殺人事件を取り巻く実際の出来事にインスピレーションを得た作品です。時を超えて語られる国民的トラウマは、今日でも社会の恐怖に目をつぶることが何を意味するのかを私たちに思い起こさせてくれるでしょう。

■公開情報
『ガール・ウィズ・ニードル』
5月16日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷ホワイト シネクイントほか全国公開
出演:ヴィク・カーメン・ソネ、トリーネ・デュアホルム、ベシーア・セシーリ
監督・脚本:マグヌス・フォン・ホーン
撮影:ミハウ・ディメク
美術:ヤグナ・ドベシュ
編集:アグニェシュカ・グリンスカ
音楽:フレゼレケ・ホフマイア
音響:オスカ・スクリーヴァ
配給:トランスフォーマー
2024年/デンマーク、ポーランド、スウェーデン/デンマーク語/123分/ 1.44:1/モノクロ/5.1ch/PG12/原題:Pigen med nålen/英題:The Girl with the Needle/日本語字幕:吉川美奈子/字幕監修:村井誠人
©NORDISK FILM PRODUCTION / LAVA FILMS / NORDISK FILM PRODUCTION SVERIGE 2024
公式サイト:https://transformer.co.jp/m/needlemovie/
公式X(旧Twitter):@TGWTN_JP

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