『御上先生』制作陣が伝えたい“考えて”のメッセージ　神崎役に奥平大兼を抜擢した理由も

　第1話では、奥平大兼演じる神崎拓斗と御上のやり取りにも注目が集まった。神崎について、飯田プロデューサーは「“Personal is political”。個人的なことが社会の問題で政治の問題というテーマを盛り込むにはどうすればいいか、詩森さんと話し合いました。神崎を報道部の部長という設定にして、校内新聞を発端にして様々なことが生起することで、バタフライエフェクトやささいなことが重大な結果につながることが表現できる」と説明。「詩森さんは映画『新聞記者』や舞台でも社会派な作品を書かれているので、そこは詩森さん自身の得意領域でもあり、その結果生徒の物語に芯が通ったと思います」とキャラクターに思いを託した。

　演じる奥平に対して、飯田プロデューサーは「奥平くんはやっぱり目が素敵で、微妙な表情筋の震えなど、葛藤を繊細に表現してくれる俳優さん。彼自身も全然自信満々じゃなくて、自分がどう見えているかを常に確認し、他者の意見を聞いて取り入れる耳を持っている」と信頼を寄せる。「第1話で神崎について“大人の皮をかぶるのが得意”という台詞もありましたが、大人のふりをした子供がだんだん等身大になるのが神崎のストーリーです。その都度の見え方やクラスとの距離感は気にしていて、奥平くんが確認することが多いのはその部分」と、相談しながら神崎というキャラクターを作り上げている。

　また、キャスト本人の特性を役にもプラスしたという話では、徳守陣役の八村倫太郎と和久井翔役の夏生大湖、倉吉由芽を演じる影山優佳を挙げた。「八村くんは本人がしっかりと自分で考えて演じてくれて、真面目さや愛される部分を足してきましたね。夏生くんが演じる開校以来の秀才といわれる和久井や、影山さん演じる帰国子女の倉吉のキャラクターもそうです」とそれぞれの個性が反映されていると話した。元教師の冴島悠子を演じる常盤貴子は、日曜劇場は2019年『グッドワイフ』（TBS系）以来の出演。飯田プロデューサーは「僕の中で常盤さんの印象は自分も携わった『とんび』（TBS系）で内野聖陽さんが主人公の奥さん役です。常盤さんが演じる冴島はすごく愛情のある人物で、このドラマで“愛”を一番表現できるキャラクターだと思っています。明るくて朗らかなところが常盤さんの魅力」と起用理由を明かした。

　現役受験生へのメッセージを求められると、「ともすれば受験は生きていく上で意味がないと誤解されがちだと思うんですけど、このドラマで伝えたいのは、御上が言う『考えて』ということです。若い方だけでなく大人もそうだと思いますが、何が正しくて何が間違っているか、考えても答えが出ないものが溢れすぎていて、簡単に触れることができるからこそ、考えることが自分を自分自身たらしめるために絶対に必要。人間は脳が一番発達している動物だと思います。死ぬまで考え続けなければいけないし、考える作業をとにかく続けていこうと。僕たちも考えに考え抜いてこのドラマをお届けすると約束するので、皆さんも一緒に考えてください」と呼びかけた。

　第2話について「『3年B組金八先生』（TBSの系）に憧れていた自分にとって覚悟の第2話」と笑みを浮かべた飯田プロデューサー。「公式サイトで黒塗りになっているキャラクター2人もわかります」と見どころを挙げた。最後に「ドラマも生徒たちもスタートラインに立つ前の段階が第1話で、御上先生の問いに向き合う姿勢を取れてないのが第1話だと思います。生徒たちが向き合う問題はクラスの問題ですが、この日本社会や世界に対して自分の脳みそを使って考え、対峙する姿勢を受け取っていただける第2話になっていると思います」と予告した。

■放送情報
日曜劇場『御上先生』
TBS系にて、毎週日曜21:00～21:54放送
出演：松坂桃李、奥平大兼、蒔田彩珠、窪塚愛流、吉柳咲良、豊田裕大、上坂樹里、髙石あかり、八村倫太郎、山下幸輝、夏生大湖、影山優佳、永瀬莉子、森愁斗、安斉星来、矢吹奈子、今井柊斗、真弓孟之、西本まりん、花岡すみれ、野内まる、山田健人、渡辺色、青山凌大、藤本一輝、唐木俊輔、大塚萌香、鈴川紗由、芹澤雛梨、白倉碧空、吉岡里帆、迫田孝也、臼田あさ美、櫻井海音、林泰文、及川光博、常盤貴子、北村一輝
脚本：詩森ろば
脚本協力：畠山隼一、岡田真理
演出：宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
プロデュース ：飯田和孝、中西真央、中澤美波
教育監修：西岡壱誠
学校教育監修：工藤勇一
製作著作：TBS
©︎TBS
公式サイト：https://www.tbs.co.jp/mikami_sensei_tbs/