NHK脚本開発チームWDR第2期始動 上田P「野心あるストーリーテラーを求めます」
NHKの脚本開発チームWDRプロジェクト第2期が始動することが発表された。
WDR(Writers’DevelopmentRoom)は、NHKで2022年に立ち上げた「脚本開発に特化したチーム」。公募を経て決定したメンバーそれぞれが、オリジナルの企画で脚本を開発していく。
各メンバーは自分の企画で「パイロット脚本(シリーズドラマの第1話)」を執筆。また、構想段階から他のメンバーと物語の内容を共有し、互いにアイデアを提供する「ブレスト会議」にも参加する。海外ではシリーズドラマを制作する際、複数の脚本家が「ライターズルーム」という場に集い、共同執筆することが一般的となっている。ブレスト会議は、このライターズルームの役割を果たす。
例えば、構成を考えることが得意な人が、セリフを書くことを得意とする人とコラボレーションが可能。展開に行き詰まった時、一緒に悩み、考え、アドバイスをくれる仲間がいる。意見を取り入れるかどうかの最終的な判断は執筆者に委ねられる。
開発した企画がNHK局内で採択され放送が決定した際には、発案者のメンバーを中心に第2話以降の脚本を制作。第1期では10名のメンバーを選抜し活動(2022年10月~2023年6月)。土曜ドラマ『3000万』として放送された。今回ここに公募で追加メンバー(若干名)を加え、第2期WDRプロジェクトとして最大10名程度のチームを再編成して活動する。
「WDRプロジェクト」第2期プロデューサーとなる上田明子氏は、「『こんなの見たことない』という驚きと、だけど『こういうの、ずっと待ってた』という渇望と。ひとりでも多くのお客さんの心に火をつけ、『これは“私のための物語だ”』と夢中で見てもらえる。そんなシリーズドラマを、一緒に作りましょう」と呼びかけている。
応募資格など詳細は下記の通り。
募集概要
応募資格
・2025年6月から10月まで、週2回の会議に参加することが可能な方。
(各週、企画メモや脚本の提出と、他メンバーの企画についてフィードバックを準備する必要があります)
・学歴・年齢不問。ドラマ業界ですでに仕事をされている方はもちろん、漫画・コント・小説・演劇・映画・アニメ・ゲームなどの分野で物語を作ってきた方、あるいは経験はなくても物語を作ることを生業にしたい方。
応募方法
2025年3月17日(月)に公式サイトで受付開始予定。
応募には、以下の課題脚本の提出が必要となります。締め切りは2025年3月31日(月)17:00 です。
締め切り間際は回線が混雑する恐れがあります。
また、プロフィールなど記入して頂く項目もありますので、ゆとりを持ってご提出ください。
なお、応募の際には、別途掲載する応募規約を必ずご確認いただき、了解の上、ご応募ください。
課題脚本
・最長10ページのオリジナル脚本。
・原作があるものは不可。ご自身お一人で執筆した未発表のものに限ります。
・連続したページであれば、この10ページ内で完結する必要はありません。
・WDRでは「思わずイッキ見したくなる」海外ドラマの脚本を意識して執筆してもらいます。課題脚本の審査でも、「続きが気になること」を重視します。また、主人公の「目的」と、それを阻む「壁」を明確にしてください。
・最終的に「生身の人間が演じる」脚本であることを意識し、ご自身の考える“リアリティー”を込めた人物造形としてください。その表現が、必ずしも「シリアス」である必要はありません。
・用紙はA4を横に使用し、縦書き。1行につき30文字程度、1ページにつき30行程度を設定。MS明朝(またはヒラギノ明朝など類するフォント)、黒字のみ。本文中の登場人物名にはフリガナと年齢設定を記入してください。
・A4用紙一枚を1ページとし、最長で10ページまで。タイトルページ、人物表、あらすじ等は不要で、脚本本文のみをPDF形式でアップロードしてください。作品タイトルは、PDFのファイル名として記入してください。
・2次選考では、面談および別途脚本課題を予定しています。
・NHKのディレクター、プロデューサーが選考します。
スケジュール(予定)
2025年3月31日:応募締め切り
4月:1次選考
5月中旬:2次選考 面談・脚本課題
必要に応じて3次選考
6月:2期メンバーの発表・第2期活動開始
10月:活動終了
10月以降:企画採択された場合、シリーズ開発(一部メンバーのみ)
※スケジュールは状況に応じて変更する可能性があります
上田明子(「WDRプロジェクト」第2期プロデューサー)コメント
第2期で目指すのは、『3000万』とはまた違った物語です。それはドラメディかもしれないし、ラブロマンスかもしれない。どんなジャンルであれ追及したいのは、海外ドラマの話法を取り込んだ【予想外の展開が連続する語り口】と、多様なアイデアを複数人で緻密に組み上げる【チームライティング】です。これを前提とした上で、エンタメ性とテーマ性を両輪とした、強力な物語を作りたい。まだ見ぬ物語の鉱脈を共に探し出し、表現することを目指す、野心あるストーリーテラーを求めます。「こんなの見たことない」という驚きと、だけど「こういうの、ずっと待ってた」という渇望と。ひとりでも多くのお客さんの心に火をつけ、「これは“私のための物語だ”」と夢中で見てもらえる。そんなシリーズドラマを、一緒に作りましょう。