唐沢寿明、45年のキャリアで得たさまざまな“顔” 異色のヒーロー役も期待できる説得力
1月9日よりテレビ朝日系で放送がスタートする木曜ドラマ『プライベートバンカー』で、主人公の凄腕プライベートバンカー・庵野甲一を演じる唐沢寿明。本作は、富裕層を相手に資産管理や資産形成の助言を行う“マネーのプロフェッショナル”である庵野が、ビジネスの手助けから家族間の揉め事まで、依頼を受けた富豪たちの資産や利益を守るためなら“何でもやる”異色のヒーロー的存在となって活躍するマネーサスペンスドラマだ。
庵野は、資産7000億の大富豪・天宮寺アイナグループの社長・天宮寺丈洋(橋爪功)から依頼を受ける。天宮は庵野に、愛するだんご屋「だんごの鶴松」の窮地を救ってほしいと頼むが、2代目社長の飯田久美子(鈴木保奈美)は、金融知識が全くないがために投資詐欺に引っかかってしまい、多額の借金を背負っていた。窮地に陥った彼女に、庵野はある提案を持ちかける。
唐沢と鈴木は、1992年に放送されたドラマ『愛という名のもとに』(フジテレビ系)で共演して以来、地上波ドラマとしては33年ぶりの共演。『愛という名のもとに』が大好きで、リアルタイムで観ていた筆者は、今でも若かりし唐沢と鈴木の共演が忘れられず、今回の再共演が楽しみでならない。
現在61歳の唐沢は、中学生時代に俳優を志し、16歳で「東映アクションクラブ」に入団。演技やアクションを学ぶ傍ら、エキストラとしてドラマや映画に出演したり、特撮作品のスーツアクターとして活動した後、1987年のミュージカル舞台『ボーイズレビュー・ステイゴールド』のオーディションに合格したのをきっかけに、爽やかな青年のイメージで俳優業を行うようになる。
1988年には、NHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』に、主演の山口智子の弟役で出演。本作の共演を機に交際するようになった唐沢と山口は1995年に結婚し、現在もおしどり夫婦として有名だ。その後、唐沢は朝ドラ『とと姉ちゃん』(2016年)と『エール』(2020年)にも出演している。
唐沢寿明のユーモラスな人柄が溢れる 『エール』で残した父としての生きざま
快活でおおらか、冗談を言いながらみんなを笑わせるような男であった。そんな三郎(唐沢寿明)が、すっかり弱り果てた姿で息子の裕一(窪…
1989年、『春日局』でNHK大河ドラマ初出演を果たした唐沢は、2002年の『利家とまつ~加賀百万石物語~』では主演を務め、2006年の『功名が辻』でも主演作同様、前田利家を演じて話題を呼んだ。
さらに、『春日局』から『利家とまつ~加賀百万石物語~』の間にも、多くのドラマや映画に出演し、前述の鈴木主演の大ヒットドラマ『愛という名のもとに』でブレイクを果たす。“トレンディ俳優”の代名詞のように売れっ子俳優となった彼は、同年の『ホームワーク』(TBS系)で主演に抜擢され、『西遊記』(1994年/日本テレビ系)、『美味しんぼ』シリーズ(1994~1999年/フジテレビ系)などでも主役を張った。
1995年のTBS日曜劇場『輝け隣太郎』にも主演した唐沢は、以降も主演作を増やし続け、山崎豊子原作の『白い巨塔』(2003~2004年/フジテレビ系)の主人公・財前五郎というハマり役を得て、視聴者を魅了。2009年には、再び山崎作品のドラマ化『不毛地帯』(フジテレビ系)に主演し、演技派俳優のイメージを定着させた。