芹澤優が『黒岩メダカ』の役作りで“キュンとしたこと” 「追体験しているよう」
芹澤優が最近“キュンとしたこと”
ーー『黒岩メダカ』はしっかりキュンとできるラブコメだと思います。芹澤さんは、最近キュンとしたことはありますか?
芹澤:私は猫を飼ってるんですけど、外に結構草が生えちゃっていて、窓の外で猫が目で追うような面白いものがないんですよ。ただこの前、ちょっと大きめのカナブンが窓に来たときに、猫がすごく嬉しくなっちゃって。すごい必死にカナブンを追いかけながら、 もう必死に窓にタッチし続けてるのを見て、キュンキュンしました。
ーー猫なんですね(笑)!
芹澤:2匹飼っていて、いつもおもちゃとかで遊んでも結構楽しそうにしていますけど、虫とかになるともう信じられないぐらい尻尾がバタバタバタってなって。野生の本能に駆られてる2匹を見て、すごくいいなって。
ーー家で猫と遊んだりするんですね。
芹澤:結構します。昼間は家にいることが少ないので、寝る前は遊んでから寝ようって感じで、よくおもちゃを振り回してます。
ーーありがとうございます。あとラブコメ作品についていつも感じるのが、演じてる側も楽しそうにしているのが伝わってくる作品が多いということです。声優として、ラブコメ作品ならではの演じる楽しさはありますか?
芹澤:“恋をすること”ができることですね。やっぱり、誰かを好きになるってめっちゃ特別だなと思うんです。大人になってくると、「この人好き! 追いかけたい!」みたいな感じって、なんか薄れてきませんか? 私の周りをみても、やっぱり条件面で男性を選ぶ人が、年齢を重ねるごとにどうしても増えてきている気がします。それってもちろん普通のことだし、結婚するって考えたら誰でもいいわけじゃない。でも、ラブコメって、高校生の、条件とかそんなんじゃなくてなんか本能で恋愛してる感じ、それをもう一回、自分もまっさらになってできるんです。第1話から保健室でモナがメダカに支えられて、「私がキュンキュンしてどうすんねん!」ってなるシーンとかは、アンチエイジングじゃないですけど「めっちゃ若返る〜!」って思います。
ーー(笑)。演技をするなかで、例えばほんとうにキュンキュンしてしまうとかいうことはありますか?
芹澤:役者さんによっては自分と切り離して演じる方もいると思います。でも私は結構入り込むというか、憑依とかではないのですが、そこに自分がいるような感覚で演じているタイプです。なので、 第1話でメダカに支えられたシーンでは台本を読みながらも体も抱っこされてるような感じになって。もちろん目の前にあるのは画面なのですが、目をつぶればすぐそこにメダカの顔があるような感覚になれるから、そのシーンを追体験しているような気持ちになって、モナちゃんと同じ気持ちになります。目をつぶったら横から声が聞こえてくるし、もちろん仕事中ではあるのですが、それこそ妄想の世界にいるような感じ。特にラブコメは特別で、その恋愛のときめきシーンの中に自分がいる感じがより強くあります。
ーーそれくらい役に入り込んで演技をするかどうかというのは、例えばアイドル活動においても、自分の素を出していくのか、自分の理想とするアイドル像になりきるのかという選択に近いと思うのですが、それはどちらですか?
芹澤:私は、理想のアイドル像を追いかけている、その私を楽しんでもらう感じです。だから、完成したものを届けたいと思って、それでも失敗したりうまくいってなかったり、そういうところを楽しんでもらいたいですし、何かを追いかけてる私を見ていてほしいという感覚です。だから、そういう意味ではそのどちらでもありますね。
ーーアイドル活動と声優に共通するものはあるのでしょうか?
芹澤:それこそモナのことで言えば、いま相手が私のことかわいいって思っているなって、なんとなく気づいてる感じ。それは自分がアイドル活動をしているときもあります。上手に自分のソロパートが歌えて、“ニコッ♡”としたときに、前列の人のあたりの目がハートになってるのは、知ってます(笑)。わかってる。「え、かわいかった? うそ〜♡」とは思ってないです(笑)。「かわいかったろ!」って。
ーー(笑)。でも、確かにアイドルたるものそうあってほしいと思うかもしれません。
芹澤:そう。モナも、たぶんみんなが「モナちゃんかわいい」と思っているのは知っている。そこは確かにちょっと近いものがあるかもしれないです。
ーーモナがメダカにずっとアプローチし続けるのって、すごく一途な一面である気がします。芹澤さんは、そうやって誰かに対してずっとアプローチし続けたり、この人を振り向かせてやりたいと思った経験はありますか?
芹澤:私は、ずっと私にアプローチしています。私の中には何人も私がいるんですけど、その中に1人、「優ちゃんならもっといける。お前はもっと上に行ける」みたいな、私に理想の私を押し付けてくる私がいて。その期待に一生懸命応えようとしている自分はずっといるなと思いました。その“私”の期待に、私もどうにかしてこう、もっともっと理想の私になろうなろうとしている、そういうことがずっとあるなと思います。
ーー芹澤さんの過去のインタビューでは、声優になりたいという夢を追ってきたとか、そういう話のことをたくさんされているように思います。先ほどおっしゃられたような、理想の自分が迫ってくるみたいな感覚っていつ頃からあったんですか?
芹澤:もうずっと前から、子供のときからありました。でも、その業界に入ったら裏を知ってしまって、憧れてる感情がなくなる、みたいな話ってよく聞くじゃないですか。でも声優業界って、裏側から見てもみんなすごいんですよ。一緒に働いて、隣に座ってても、この人なんでこんなに素敵なの!? って感動するんです。中学生の私が「声優ってすごい」ってなった気持ちが腐っていかないというか、今ではもうファンみたいな反応をすることはないですけど、「すごい」という純粋な感情を変わらず持っていられる。
ーーそれはとてもいいことだと思います。
芹澤:声優業界だからなのかもしれませんが、今だってずっと憧れているし、あの頃すごいと思った声優に私はまだなれてないんじゃないかって、ずっと思っています。
■放送情報
『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』
テレ東系にて、毎週月曜25:00〜放送
各配信プラットフォームにて配信
原作:久世蘭(講談社『週刊少年マガジン』連載)
キャスト:岩崎諒太(黒岩メダカ役)、芹澤優(川井モナ役)、雨宮天(湘南旭役)
監督:奥村よしあき
シリーズ構成・脚本:筆安一幸
キャラクターデザイン:渡辺まゆみ
音楽:立山秋航
音響監督:小沼則義
色彩設計:山上愛子
撮影監督:西村徹也(スタジオ エル)
美術監督:三宅昌和
アニメーション制作:SynergySP
©久世蘭・講談社/「黒岩メダカに私の可愛いが通じない」製作委員会
公式サイト:https://monaxmedaka.com
公式X(旧Twitter):https://twitter.com/monaxmedaka