2024年必見作品に今後の期待作も! 識者が語り合うディズニープラスオリジナル韓国ドラマ

 最多7部門にノミネートされた百想芸術大賞2024でテレビ部門大賞を受賞、第3回青龍シリーズアワードでも大賞も受賞と、各賞総なめ状態の大旋風を巻き起こしたディズニープラス「スター」で配信中の韓国ドラマ『ムービング』。本作は、配信直後より世界的大ヒットとなり、2023年ディズニープラスで最も視聴された韓国ドラマオリジナル作品となった。そんな『ムービング』を筆頭に、今をときめく人気スターや名優が多彩なジャンルに挑み、豪華な映像体験を堪能させてくれるディズニープラスのオリジナル韓国ドラマ。

 そんなディズニープラスの韓国ドラマの魅力を深掘りすべく、リアルサウンド映画部では、韓国ドラマ・映画インフルエンサーのmikoザウルス氏、インフルエンサーの沼野チョロ子氏、韓国ドラマ・映画ライターのにこ氏を迎え、鼎談を実施。2024年に配信されたディズニープラスのオリジナル韓国ドラマを振り返り、2025年に配信予定の期待作品についても語り合ってもらった。

2024年の配信作品を振り返る

ーー今年配信された作品ではみなさんどの作品が良かったですか?

にこ:私は1月に配信された『殺し屋たちの店』がとても良くて、あの作品のイ・ドンウクのキャラクターにハマりました。

沼野チョロ子(以下、チョロ子):ねー! カッコいいですもんね!

にこ:イ・ドンウクって顔の彫りが深く色も白くてカッコいいですよね。『殺し屋たちの店』のジンマン役のイ・ドンウクはアクションも凄くて、とにかくめちゃくっちゃカッコよかったです(笑)。

チョロ子:カッコよかったです! 『殺し屋たちの店』は素晴らしかったですよね。

『殺し屋たちの店』ディズニープラス スターにて全話独占配信中 © 2024 Disney and its related entities

mikoザウルス(以下、miko):私も『殺し屋たちの店』がダントツでよかったです。2024年、各社すごく面白い作品がたくさんありましたが、その中でも『殺し屋たちの店』は1、2を争う出来でした。アクションスリラーが好きじゃない方にもぜひ観てほしいぐらい、最初から最後まで全編にわたって伏線が張り巡らされていて、かつ隙や無駄が一切ない。本当によくできている作品でした。

miko:クム・ヘナが演じていた、ミンへがジアンを守るために殺し屋たちと戦う場面で、すごく躍動的な劇伴に乗せてスローモーションのアクションが展開される場面は、後世に残すべき伝説的アクションシーンだと思いました。

チョロ子:アクションは凄かったですよね。

miko:クエンティン・タランティーノの『パルプ・フィクション』みたいな感じもあって。ただ、『殺し屋たちの店』が賞レースに絡まなかったのはいまだに納得がいってません。

チョロ子:クム・ヘナさんは青龍シリーズアワードで最優秀助演賞を獲りましたが『殺し屋たちの店』が作品賞などに全然かすらなくて残念でしたよね。

miko:俳優さんは受賞していましたけど、脚本や演出、作品賞には絡んでこなかったんです。『ムービング』があったからというのもあると思いますが、個人的にはものすごく残念でした。

チョロ子:『殺し屋たちの店』はディズニープラスの作品の中でかなりヒットでしたよね。私は恋愛ドラマがめちゃくちゃ好きなので、やっぱり『偶然かな。』を押したいです。

チョロ子:日本で今大人気のチェ・ジョンヒョプが出ている『偶然かな。』は、青春と恋愛がギュッと詰まった最高の作品でした。チェ・ジョンヒョプ演じるカン・フヨンの、好きなのに全然言えないちょっと不器用な感じがすごくよかったです。大人になった自分も今はわかるんですが、もし自分が高校時代の好きだった人に今再会したら、確かにあれぐらい結構グイっといくなーと思ったんですね。あの頃できなかったことが、大人になって経験を積んで再会したら、「なんか今ならいけるかも」となる気持ちに共感しましたし、超胸キュンが詰まっていて最高の作品でした。

にこ:OSTもすごいよかったですよね!

チョロ子:曲がめちゃくちゃよかったです!

『偶然かな。』ディズニープラス スターにて全話独占配信中 ©︎ IOKCOMPANY Co.,Ltd.

miko:私は試写会で映画館の大スクリーンで観させていただいたんですけど、映像が素晴らしいクオリティで、音楽も綺麗でした。あと、チェ・ジョンヒョプとキム・ソヒョンの主演2人がめちゃくちゃ合っていました。

チョロ子:合ってましたね! ビジュアルのバランスも相性もすごくよかった。あの2人だからこそ、キャラクターもハマっていましたね。

miko:サスペンス要素が一切ない、ラブロマンスのみの作品が最近意外と少ないので、王道を行っていてめちゃくちゃよかったです。チェ・ジョンヒョプの人気がありすぎて、逆に敬遠する方もいるのかなと思っていたんですけど、全然そんなことはなかったですね。

チョロ子:観やすいし、オススメですよね。あと私は『暴君』が好きでした。

miko:『暴君』もよかったですね!

チョロ子:夢中になって観てしまいました。私はドラマを観るとき、基本的にあらすじをざっと読んで、あとは深く調べずにとにかく再生して観るんです。最初に自分がどう感じたかを楽しみたいので、それぞれの役などを把握しないまま再生するんですが、『暴君』はチャ・スンウォンが楽しすぎて(笑)。

『暴君』ディズニープラス スターにて全4話独占配信中 © 2024 Disney and its related entities

にこ:チャ・スンウォンの二面性のあるキャラクターと演技がとてもよかったですね!

チョロ子:冒頭から「さすがチャ・スンウォン!」という感じで、ガッと心を掴まれました。そこからキム・ソンホも出てくるんですよね。

にこ:これまでと全然違った抑えた演技でしたよね。キム・ソンホのあんな表情初めて見ました。

miko:『暴君』は韓国映画好きな人には絶対観てほしくて。パク・フンジョン監督のノワールが好きな人にとっては、たまらない世界観でした。『新しき世界』や『貴公子』と通じるところもありましたね。『THE WITCH/魔女』のスピンオフということでしたけど、スピンオフというよりはシェアードユニバースみたいな印象で。なので『THE WITCH/魔女』を全然知らなくても楽しめるんですよね。

miko:パク・フンジョン監督は凄いなと改めて思ったので、もっといろんな人に観てもらえたらすごくいいなって。パク・フンジョン監督はインタビューで「シリーズ化したい」という話をしていたので、またディズニープラスでやってもらえたら嬉しいですね。

にこ:映画繋がりで言うと、ソン・ガンホの『サムシクおじさん』もありましたね。先ほども話に出た『ソウルの春』にも通じる、戦後の苦境から民主化に至る時代の作品で。

miko:『ソウルの春』よりもっと前の時代、1960年代の話ですよね。

『サムシクおじさん』ディズニープラス スターにて全話独占配信中 © 2024 Disney and its related entities

にこ:そうです。ソン・ガンホのドラマ初出演の作品ですが、画面が重厚で1960年代を描く映像自体も映画クオリティです。ソン・ガンホを相手にピョン・ヨハンやイ・ギュヒョンの演技もよかった。激動の時代を全16話で描いていましたが、内容的に全20話ぐらいでもよかったぐらいだと思いました。あと、『ワンダフルワールド』はどうでしたか?

miko:私はキム・ガンウがすごく好きなので、キム・ガンウのために観ていた感じだったんですが、切ない描写もありましたね。

『ワンダフルワールド』ディズニープラス スターにて全話独占配信中 ©︎ SAMHWA NETWORKS. All Rights Reserved.

にこ:チャウヌがインタビューで語っていたんですが、会社からは「やらなくていい」と言われたけどチャウヌ自身が「やりたい」と言って出演したそうです。チャウヌが演じたユルが、自分自身と似ている背景があったそうで。演じることでの一種のカタルシスというか、メソッド演技のようで、チャウヌの感情溢れた演技に感情を揺さぶられました。

チョロ子:確かに、今までのチャウヌの演技とは違った新しい一面が見れましたね。

miko:新しいものに挑戦したいという感じは出ていました。その話を知ると、新たな気持ちで観れますね。

miko:私は『レッド・スワン』も語りたいです。『レッド・スワン』はとても“王道”で。「財閥お家騒動マクチャン(現実ではありえない設定のドロドロ愛憎劇)」ですが、牽引力があって面白かった。RAIN(ピ/チョン・ジフン)が主演でボディガード役を演じ、命を狙われる財閥家の奥様を命がけで守る中で許されない愛が芽生えます。チョン・ジフンがめちゃくちゃカッコいいんですよ。多くのアクションシーンを自らこなしていて、それを観るだけでも価値があります。『007』シリーズや『ボーン』シリーズみたいに、シリーズ化してほしいぐらいです。王道マクチャンって、今の時代でも面白いですよね。

にこ:『レッド・スワン』では大規模海外ロケもあり、見応えがありましたね。

『レッド・スワン』ディズニープラス スターにて独占配信中 © 2024 Disney and its related entities

miko:高級車が何台も爆発したりしていました。マクチャンですが、泣けるところもあり、観た人は涙していましたね。難しいことを考えずに楽しめる作品なので、『レッド・スワン』はぜひ観てほしいです。

にこ:「豪華な昼ドラ」みたいでしたね。

miko:まさにその通りです!!

ディズニープラスに入ったきっかけ

ーーちなみに、みなさんは何がきっかけでディズニープラスに入りましたか?

チョロ子:私がディズニープラスに入った理由は、『スノードロップ』でした。韓国ドラマ好きの人がディズニープラスに入るのは、『スノードロップ』がきっかけという方が多いですよね。

miko:そうですね。私も『スノードロップ』が一番最初でした。

『スノードロップ』ディズニープラス スターにて全話独占配信中 © 2024 Disney and its related entities

チョロ子:私も『スノードロップ』は夢中になって観ました。『スノードロップ』でチョン・ヘインが演じた役は、好きな人がとても多いですよね。

miko:ちょうど今公開中の映画『ソウルの春』と同じ時代が描かれているので、今『スノードロップ』を観るのもオススメですよね。

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