『呪術廻戦』好きならハマる!  “ダークファンタジー”を題材にした名作アニメ5選

 大人気マンガ『呪術廻戦』が、9月30日発売の『週刊少年ジャンプ』44号にて最終回を迎える。アニメ版はまだまだ完結していないものの、次は何を楽しめばいいのか……と早くも“ロス状態”になりかけている人もいるかもしれない。

 そこで今回は、『呪術廻戦』ファンがドハマりしそうな、ダークファンタジー要素が強いアニメをいくつかピックアップして紹介していきたい。

残酷でスマートなバトルロイヤル『Fate/Zero』

TVアニメ「Fate/Zero」2ndシーズントレーラー

 『呪術廻戦』の魅力といえば、お互いの行動を裏の裏まで読み合う知略に満ちたバトル。そのスリルに近いものを味わわせてくれるアニメといえば、2011年から放送された『Fate/Zero』が挙げられるだろう。

 同作は『Fate/stay night』の前日譚を描いたスピンオフではあるものの、ストーリー的には独立した作品として楽しむことが可能だ。『魔法少女まどか☆マギカ』や『PSYCHO-PASS サイコパス』で知られる脚本家・虚淵玄によって、救いようのないダークでハードな世界観が作り上げられている。

 あらゆる奇跡を実現する「聖杯」の力を手に入れるため、7人の魔術師(マスター)が英霊(サーヴァント)を召喚して争い合うというストーリーで、歴史や神話に出てくる英雄たちが死闘を繰り広げていく。たんなる力のぶつかり合いでなく、主人公・衛宮切嗣を筆頭としたマスターたちの権謀術数が大きな見どころだ。

 いわゆる鬱展開にも事欠かないので、『呪術廻戦』の「渋谷事変」や「死滅回游」が好きな人は夢中になってしまうかもしれない。

ダークでカオスなファンタジー『ドロヘドロ』

TVアニメ『ドロヘドロ』ノンクレジットオープニング映像 (K)NoW_NAME「Welcome トゥ 混沌(カオス)」

 『ドロヘドロ』はダークファンタジーの金字塔として真っ先に名前が挙がることの多い作品。原作は2000年から18年のあいだ連載された林田球のマンガで、2020年にファン待望のアニメ化を果たした。アニメーション制作しているのは、『呪術廻戦』と同じMAPPAだ。

 物語の主人公はかつて魔法を受け、頭をトカゲにされてしまった男・カイマンと、その相棒であるニカイドウ。2人が暮らしているのは「ホール」と呼ばれる世界なのだが、魔法使いたちは「ドア」を作ってやってきて、“練習”と称して人間を魔法の練習台にしている。魔法は基本的に指先からケムリを出すことによって発動する仕組みで、その効果は使用者によって実にさまざまだ。

 そしてそんな能力バトルとしての一面とは別に、唯一無二のカオスな世界観が同作の魅力。魔法使いたちはみなヘンテコな仮面をつけている上、街中には奇妙な見た目の建物がずらり。そしてそこに住む人々は「葬式」といってドロドロとした液体に卵を放り込むなど、独自の文化が発達している。ほかにもゾンビが出てきたり、悪魔が出てきたりと、さまざまなジャンルがごちゃまぜとなっているのだ。

 なお、今のところアニメ版は全12話で原作の途中までしか映像化されていないが、今後続編が制作されることがすでに発表されている。

グロテスクでリアルな異世界ファンタジー『ドリフターズ』

DRIFTERS放送開始PV

 ダークファンタジーの名作『HELLSING』で知られる平野耕太のもう1つの代表作、それが『ドリフターズ』だ。

 物語は関ヶ原の戦いから撤退していた薩摩の武将、島津豊久が、謎の男に導かれ、エルフなどの“人ならざるもの”がいる異世界へとたどり着くところから始まる。そこには織田信長や那須与一など、古今東西の歴史上の人物たちが流れ着いており、壮大なスケールの戦いへと発展していく。

 いわば「血気盛んな武士が異世界に転移したら……」といった趣の設定なのだが、実際に作中で巻き起こるのはどこまでも血なまぐさくグロテスクな戦い。決してファンタジーに偏っておらず、むしろ偉人や英雄が各々の個性を発揮するところがとことんリアルに描かれている。

 さらにいえば、暴力の権化というべき豊久のキャラクター造形は伏黒甚爾を連想させるところもあるので、愛着が湧くのではないだろうか。

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