『降り積もれ孤独な死よ』美来役でデビュー 18歳の新鋭・水野響心、俳優としての決意

 成田凌が主演を務める連続ドラマ『降り積もれ孤独な死よ』(読売テレビ・日本テレビ系)が、9月8日に最終回を迎える。放送回のたびに注目を集めてきたヒューマンサスペンスで、ドラマデビューを果たした女優がいる。過去と現在が交錯する本作。その現在の物語が動き始めるきっかけとなるキーパーソン、「少女失踪事件」の月島美来を演じた水野響心(みずのひびき)だ。

 愛知県出身の18歳。緊張したクランクインから花束をもらったクランクアップ、共演した成田凌、山下美月、吉川愛とのエピソードにはじまり、胸に刻む恩師からの言葉や、目標とする俳優の存在など、期待の新鋭を直撃した。(望月ふみ)

作品世界が作り上げられていく瞬間を目の当たりに

第1話から写真のみで登場していた月島美来

――『降り積もれ孤独な死よ』では、初回から写真で登場しました。

水野響心(以下、水野):「本当に映ったんだ」って。美来のビジュアルについても、想像はしていたんですけど、実際に髪の毛やメイク、衣裳をスタッフさんにしてもらったことで、しっかり美来を感じることができました。ただ、美来は普段の私とは全く違う雰囲気なので、初回の登場では、周りの反応も「これ、そうなの?」みたいな感じでした(笑)。

――第8話は多くの登場シーンがありましたね。

水野:周囲からも「いつ出てくるの?」と聞かれていたんですけど、話すわけにもいかないし(苦笑)、早く放送が来ないかなと思っていました。

――デビュー作です。撮影が始まる前やクランクインの際の気持ちはいかがでしたか?

水野:とにかく緊張していました。ずっとソワソワしていて。勝手に不安がってもいたのですが、撮影前、最終的に「ちょっとでもいいから、誰かの目に留まったり、気にかけてもらえる時間があれば」と思うようにしたら少し落ち着きました。

――実際の撮影は?

水野:なにもなかった場所に、セットでマル横のあの感じが作り上げられたんです。私が現場に入ったときには何もなかった空間が、着替えて、撮影に入る頃にはすっかり変わっていて、エキストラさんも入ってくださって、完全にマル横になりました。すごいとしか言えませんでした。放送で観ると、本当に街として溶け込んでいて、めちゃくちゃ感動しましたし、そこで演技をしたときには、自分の芝居によって、誰かが動くという体験に、緊張感も覚えました。

カットが進んでいくたびに「終わらないで」

――クランクインは山下美月さんと一緒だったとか。成田凌さん、吉川愛さんとの共演シーンもそれぞれありました。

水野:クランクインのときは、頑張って緊張を隠すように、できるだけスンっとしていたんですけど、その場にいた全員が分かっていたと思います。山下さんにもバレバレだったと思います(苦笑)。でも山下さんは本当に優しくて暖かい雰囲気の方で、最初から気さくに話しかけてくださいました。クランクアップのときは山下さんと成田さんと一緒だったんですけど、対面で話すシーンが多かったこともあって、撮影の合間に3人でいろいろお話させていただきました。

――頼れる先輩方ですね。

水野:シリアスなシーンが多かったですが、落ち着いて撮影できました。本番になるとピリッとするんですけど、メリハリがしっかりしていて、成田さんもいろいろ質問してくださったりして。待ち時間にはリラックスできたので、自分も一緒に切り替えることができましたし、最後はあまり緊張せずに、やり切ることができました。

――吉川さんとは?

水野:とても自然体の方で、私もリラックスして撮影できました。灰川邸での撮影は夜遅かったんですけど、待ち時間にお話していた会話の続きのような感覚で、美来と花音さんの撮影もできた感じです。

――ちなみにあの灰川邸は、実際にあるのでしょうか?

水野:あります! 本当にお城のようなあの邸宅が。庭や中もそのままですし、絵が飾られていた階段もあのままです。セットじゃないんです。「お城みたい」というセリフがあったのですが、素で言っていました。

――そうなんですね! クランクアップは成田さん、山下さんと一緒だったとのことですが、いわゆる「ドラマのクランクアップ」で見られる光景は体験しましたか?

水野:はい! 撮影最終日は、撮影が終わるのが悲しくて。カットが進んでいくたびに「終わらないで」と思ってました。温かい現場で、撮影も楽しくて。終わったときは、山下さんが花束をくださって成田さんと3人で写真を撮りました。コメントもみなさんの前で言いましたが、緊張していて何を言ったか覚えていません(笑)。

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