『虎に翼』羽瀬川なぎの繊細な表情が物語る玉の秘めた思い 懐かしの“饅頭”も再び

 一方で刑事事件の裁判を受け持つことになった寅子。当事者たちの幸せを第一に考える家裁とは違って、刑事事件は目の前にいる人間の罪の有無を見極めなければいけない。寅子は「彼らの人生に思いを馳せてしまう」ことに悩んでいた。

 そばで聞いていた涼子が「多くの子どもたちやご家庭を見てきた寅子ちゃんだから見極められる真実はある」と思いを伝えると、寅子は「さすが涼子様です」と感心する。しかし、「今すぐにでも裁判所で働いてほしいくらいだわ」という寅子の発言を聞いて、きまりが悪い表情を浮かべていたのが玉。どうやら玉には涼子に対して思うところがあるようだ。

 涼子の誘いを受けて、いつもの水曜日ではなく日曜日に喫茶ライトハウスを訪れた寅子と航一(岡田将生)。涼子が用意してくれた“とっておき”とはかつて明律大学女子部法科の仲間たちとともに、法廷劇の再検証をする際に作った寅子たちにとって思い出の饅頭だった。森口(俵木藤汰)の娘・美佐江(片岡凜)も加わり、3人で楽しい時間を過ごした寅子だったが、1人だけ浮かない表情をしていたのが玉だった。そんな玉を見かねた寅子は片付けを手伝うと言って残り、あくまでも対等な存在として玉に寄り添った。

「お力を貸してください。お嬢様を自由にして差し上げたいんです」

 それが玉の本当の願いだった。玉は自分が涼子の枷になっているのではないかと思っている。だが、果たして本当にそうなのだろうか。玉の勇気がいい方向に進むことを願っている。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、羽瀬川なぎ、片岡凜、遠山俊也、田中美央、望月歩、堺小春、岡部ひろき、筒井真理子
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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