『ギークス』基山役で本領発揮? 滝沢カレンが担う、作品に溶け込む“差し色”のような役割

 西条、吉良、基山の小鳥遊警察署“省エネ3人組”による何気ない一言が事件を解決に導いていく『ギークス〜警察署の変人たち〜』(フジテレビ系/以下、『ギークス』)。確かな演技力で魅せる松岡茉優、女優としてさらなる躍進を遂げている田中みな実に加え、滝沢カレンは良いバランスで2人を支える最年少の基山伊織を演じている。

 交通課に所属している基山は、「地図だけが話し相手」と言われるほど生粋の地図オタク。休日は路線バスに乗り、車内放送を録音して、運転手の声をほめたたえる。彼女の頭の中には地図は完全に叩き込まれており、第1話では最短距離で怪しい人物の確保に成功。また、犯人の逃走経路の話になった時も、可能性の高い出口に面した道は「交通量が多いので15時以降は必ず渋滞します」といった分析を見せ、捜査の手間を短縮させた。

 第2話では、事件解決の糸口になるおばあさんが消えた際、思い出の場所と話していた寺の写真を見ては「このお寺、広島の呉市にあるお寺だ」と呟く。そして捜査員が近くにある似ている寺に駆け付けると、そこにはおばあさんの姿があった。基山の“ギーク”ぶりは警察という職業において大いに役立っているのだ。

 そんな基山を演じる滝沢カレンと言えば、独特な日本語の言い回しが特徴的で、バラエティ番組にひっぱりだこのイメージだ。特に『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)内の「美食遺産」は、ナレーションを務める滝沢の読み間違いや言葉選びのセンスを面白おかしく拾ったコーナーで、彼女の言葉に笑いをこらえるゲスト俳優の表情もまた面白い。

 タレント、モデルとして大活躍している滝沢だが、過去にも女優として映像作品に出演している。『G線上のあなたと私』(TBS系)で演じたのは、バイオリン教室に通う理人(中川大志)の兄の妻・芙美役。複雑な背景がある役柄を明るく演じ切った。

 また、『逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!』(TBS系)ではみくり(新垣結衣)と同じ職場で働き、『卒業タイムリミット』(NHK総合)では突然誘拐されてしまう生徒に人気の英語教師に。高校ボクシング部を描く『未来への10カウント』(テレビ朝日系)では、女手一つで息子を育てるボクシング部の顧問・折原(満島ひかり)の妹として、彼女を支える重要な役割を果たした。過去のインタビューでも「もともと女優になりたくてこの世界に入った」(※1)と語っていた滝沢。物語の中でも、その場を包み込むような滝沢らしい明るいパワーを感じることができるが、その存在感は強すぎず、ストーリーに良い塩梅で溶け込むことができる差し色のような役割を担っている。

滝沢カレン、“ほぼ初めて”の映画出演に恥ずかしさと安心感 今後の女優業への意欲も

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