『虎に翼』“持ちつ持たれつ”に寅子が苦戦 伊藤沙莉が川にドボンするお決まりの展開も
とはいえ、三条支部では相変わらず仕事が山積み。三条で林業を営む森口(俵木藤汰)と原(星野亘)が所有する山林の境界を巡って争っていた。寅子はその民事調停を担当することになったのだ。森口からいびられる三条支部の書記官の高瀬(望月歩)を見て、寅子は気遣って話かけるが、高瀬から「僕と関わろうとしなくていいですし、いちいち気にせんでもいいですから」と言い残して去ってしまう。
このままでは調停が進まないと感じた寅子は、申立人の森口(俵木藤汰)、弁護士の杉田、書記官の高瀬(望月歩)らとともに、現地調停に向かうことに決めた。太郎からは地元一の名士である森口の肩を持てば、赴任中もラクになるとそそのかされるが、寅子はあくまでも「法に則った判断をします」と態度を変えようとはしない。そんな中、森口と高瀬が一悶着起こし、調停に入ろうとした寅子が川へと放り出されてしまう。朝ドラ定番の流れではあるが、あまりにも唐突だ。
森口と高瀬については太郎が取り持つことになった。「森口さんの調停についても検討をお願いします」と寅子にささやく太郎の表情は何か企んでいる人の顔だ。太郎の優しさはこの時のためだったのではないかと疑いたくなる。地元の名士相手にはペコペコと頭を下げ、高瀬に対してはいじめのような発言を浴びせる。その風土や人間に寄り添うことは大切ではあるが、ここにきて太郎たちの目論みが明らかになってきた。とはいえ、田舎における「持ちつ持たれつ」の関係性は悪いことばかりではない。寅子には人との関わりを大切にしつつも、判事として成長してくれることを願っている。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、森田望智、田口浩正、遠山俊也、望月歩、堺小春、三山凌輝、竹澤咲子、和田庵、高橋克実
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK