『虎に翼』寅子は“間違ったこと”はしていない? 「トラちゃんは何にも見えてない」の重み
事務所へと戻った寅子だったが、何やら多岐川の様子がおかしい。「いいから着いてこい」と多岐川に言われるがままに向かった先は最高裁判所。桂場(松山ケンイチ)を見かけると、多岐川は怒りを爆発させる。その怒りの理由は寅子の新潟地家裁三条支部への異動だった。最高裁判所に来るまで何も知らされていなかった寅子は状況に困惑するばかりで、いまいち状況が掴めない。多岐川は寅子がラジオ番組で楯突いたことが理由なのかと山本長官に迫るが、異動を決めたのは人事局長である桂場だった。多岐川にとって寅子は優秀な部下でもあると同時に、家庭局も家裁も問題山積みの中で寅子がいなくなるのは大きな痛手だ。
自宅へと帰った寅子は直明(三山凌輝)と花江(森田望智)に、新潟地家裁三条支部へ異動することを告げる。寅子の告白に驚く直明に対して、花江は「お仕事なら仕方がないわよ」と毅然とした態度を貫く。寅子は「新潟には“私たち”だけで行こうと思うの」と話すと、直明は「それには賛成できない」と反論する。仕事で手一杯の寅子と2人で暮らすとなると、優未(竹澤咲子)は一人でいる時間が多くなってしまうことは確実だ。花江が「トラちゃんは何にも見えてない」と言うように、優未が寅子に甘えたくても必死に我慢していい子のフリをしていた。まずは寅子の意識が変わらなければいけない。
「トラちゃんが見てるのはね、本当の優未じゃないの」
仕事ばかりで娘に目を向けられていなかった寅子。花江の発言を機に、寅子は自分自身の過ちに気づくことができるのか。もちろん、仕事に精を出すのも大切だが、それ以前に家族との時間を大事にしてほしいと切に願う。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK