内山昂輝、声優の“てっぺん”を取るのは「声質と努力を続ける人」 映画への想いも語る

声優としてのターニングポイントは『機動戦士ガンダムUC』

ーー内山さんは子役から演技の世界にいらっしゃると思うのですが、声優としてのターニングポイントになったと感じる作品はありますか?

内山:いろんなポイントがあると思うんです。僕は子役出身で声優業に辿り着いたんですけど、10代の頃とかは、声優としてのテクニカルなものが全然ないままで。そんな中でさまざまな役に抜擢していただいたことは、ありがたいことだったと思います。声優のキャリア的には『機動戦士ガンダムUC』(バナージ・リンクス役)が、ターニングポイントになったと言えるかもしれません。19歳の時に初めて出演したんですけれど、アニメ業界の方にたくさん知ってもらえた機会になりました。

ーー19歳で大役に抜擢……想像しただけでプレッシャーに押しつぶされそうです。

内山:緊張やプレッシャーっていうのは、「ここで大成功して、この人たちに認めてもらって次に活かしたい」とか、「評価されたい」って思いがあると生まれるものだと思っていて。ただ、当時の自分にはそういう気持ちが全くなかったんですよね。全然恐れを知らない若者というか……業界のことも知らないし、 自分が声の仕事で食べていくことも全然考えてなかったので。仮にこの業界で失敗して、先がなくても気にしないぐらいの気持ちで、傍若無人だったと思います。ただ、もしそれが良い方向に働いたのであれば、生意気な若者を中身で評価してくれた、周りの大人たちに感謝ですね。

ーー当然ながら、年齢によって声も変わっていきますよね。声が変わっていく中で壁を感じた経験はありますか?

内山:もちろんあります。キャスティングされやすい役柄が変わっていくこともありますし、声優の仕事ならではという意味では、「昔やったキャラクターをまたやる」ケースもあるので。 「10代の頃にやったやつもう1回やるのか〜」というパターンですね。当時の地声との違いを感じつつも、今の自分なりに変えられる範囲で、「この辺ぐらいまでなら当時の雰囲気に寄せられる」というポイントを探していく作業です。“今の自分でやるならば”という着地点を、日々見つけていくことが大事だと思っています。

内山昂輝が印象に残ったギャング映画は?

ーー最後に、今回リアルサウンド映画部では初取材ということで、本作で重要な役割を果たす“てっぺん”という言葉にちなんで、映画が好きな内山さんに現時点でのオールタイムベストをお聞きしたいです。

内山:うーん、1本に絞るのは難しいかもしれません。ただ、中学生の頃にポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』を初めて観て衝撃を受けて、そこからポン・ジュノ監督がアカデミー賞までたどり着くのを見届けたことを思うと……やっぱり『殺人の追憶』は思い出深い作品です。他の監督でいえば、ウェス・アンダーソン監督の作品も好きですね。とはいえ、最近の『アステロイド・シティ』『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は自分には刺さらなかった。もしかしたら、好みが変わってきた可能性も否めないのですが、自分でも不思議です。

ーー邦画のヤンキー映画や、あるいは洋画でのギャング映画に絞った場合はどうでしょう?

内山:2022年に公開50周年を記念した『ゴッドファーザー』の4K版のパッケージが出て、1と2を久々に家で観て、めちゃくちゃ面白かったんです。あの時代にしか生まれないものなのかもしれないと思えるほど、画作りから全てが贅沢といいますか……。オープニングの有名な真っ暗なところから顔が浮かんできて、ボナセーラの「アメリカはいい国です」のセリフで始まるところからすでに良い。ラストに至るまで、全部にうっとりしてしまうような画の力を感じました。そうしたものが4Kまでたどり着くなんて、いい時代ですよね。リバイバル上映も増えていますし、過去の名作がどんどん4K化されていることに、ありがたさを感じています。

ーーさらにドルビー環境でも、色々な作品が観られるようになりましたよね。

内山:そうですね。15年前頃から、フィルムからデジタル上映に変わってきたことを思い出すと、本当に最初の方はもっと映像がぼやっとしていた気がします。IMAXの進化も同じ。2009年の『アバター』を観たときの上映環境から、IMAXレーザー、そしてグランドシネマサンシャイン 池袋のIMAXまでたどり着いたことを思うと、「映画ってまだまだ進化するんだな」と思います。次世代のIMAXフィルムカメラが作られる話もありますし、それでまたいい映画を撮ってもらえたら、嬉しいですよね。

■放送・配信情報
『WIND BREAKER』
MBS・TBS系“スーパーアニメイズムTURBO”枠にて、毎週木曜24:26〜放送
BS日テレにて、毎週水曜23:00〜放送
AT-Xにて、毎週金曜21:30〜放送
ABEMAほか各配信プラットフォームにて順次配信開始
原作:にいさとる『WIND BREAKER』(講談社『マガジンポケット』連載)
監督:赤井俊文
シリーズ構成:瀬古浩司
キャラクターデザイン・総作画監督:川上大志
アクションディレクター:浅賀和行
プロップデザイン:羽土真衣子
美術設定・美術監督:守安靖尚
色彩設計:横田明日香
撮影監督:長瀬由起子
3Dディレクター:渡邉啓太(サブリメイション)
編集:三嶋章紀
音楽:高橋諒
音響監督:明田川仁
制作:CloverWorks
オープニングテーマ:なとり「絶対零度」
エンディングテーマ:Young Kee「無敵」
キャスト:内田雄馬(桜遥)、千葉翔也(楡井秋彦)、内山昂輝(杉下京太郎)、島﨑信長(蘇枋隼飛)、中村悠一(梅宮一)、鈴木崚汰(柊登馬)、河西健吾(柘浦大河)、豊永利行(桐生三輝)、長谷川育美(橘ことは)、戶谷菊之介(兎耳山丁子)、梅原裕一郎(十亀条)、小林千晃(佐狐浩太)
©にいさとる・講談社/WIND BREAKER Project
公式サイト:https://wb-anime.net
公式X(旧Twitter):@winbre_sakura
公式TikTok:@winbre_official

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