『光る君へ』三浦翔平が“全身”で演じきった伊周の負の感情 絶叫に込めた思いを明かす

『光る君へ』三浦翔平が絶叫に込めた思い

 なお、三浦と板谷はそれぞれ、「そなたに多くを背負わせてしまった」という貴子の台詞についてコメントを残した。板谷は「結構自分勝手なセリフだなって」「私は同じ母親としては、急に貴子さんが弱くなっちゃったというか『もっとしっかりしてよ貴子さん』ってこのシーンに関しては思いました」と語った。一連の出来事ですっかり弱り切ってしまったのは伊周だけでなかったのだと改めて感じる。一方、三浦は、「(伊周は)聞いているようで聞いていないというか、耳にちゃんと入ってきていない状況ですかね」「今、起こっている状況自体を伊周自身が理解をできていなくて、ほぼ放心状態に近い」と答えている。実際、網代車で母の横に座る伊周は憔悴しきっており、貴子の言葉に反応しているようでしていない絶妙な表情を浮かべていた。

 「ここのこの一連の話、全部そうなんですけど、伊周の脳みそがまだ追いついていないんですよ」と語った三浦は、そのために伊周は今の状況に対してとにかく必死なのだと口にする。目に涙を浮かべながら「右大臣殿、頼む……」と必死に懇願したり、引き剥がされながらも「母上、母上!」と叫び続けたりする姿からは、三浦が語った必死さがありありと感じられた。喚き散らす声色からは、かつての気品ある佇まいを思い出すことができない。しかし皮肉にも、三浦の台詞の言い回しが悲痛に響けば響くほど、人間らしい伊周の魅力が強く感じられた。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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