山本耕史、今田美桜は「目がキラキラしてる」 『花咲舞』で気づいた似ている部分とは?
今から10年前、杏が演じた花咲舞は銀行に蔓延っていた不正にズバッと切り込み、不満を言いづらい世の中での痛快なエンタメとして人気を博した。そして2024年、「このままではいけない」という空気が漂う時代に、今田美桜主演で花咲舞が帰ってきた。
池井戸潤原作の『花咲舞が黙ってない』(日本テレビ系)は、不正を絶対に見て見ぬふりできない花咲舞が、弱い立場の人たちのために立ち上がる姿を描くドラマだ。2014年と2015年に放送された際は、花咲舞の相棒となる相馬健役を上川隆也が演じていたが、2024年版では山本耕史が演じている。
本作について「今のこの時代にやる意味がある作品」だとコメントしている山本。その真意や演技に込めた思い、そして「天使だと思った」と賞賛した今田美桜の魅力もたっぷりと語ってもらった。(編集部)
「筋トレの種目は毎回ちょっと変えている」
――約10年ぶりに『花咲舞が黙ってない』が新たな形で制作されることについて、最初に聞いた時はどのように思いましたか?
山本耕史(以下、山本):いいドラマだからこそ、リバイバルされていくと思うんですよね。きっと僕らの何年後、何十年後とかにもまたやるんだろうし、やっぱり名作だと思うんですよ。キャストも時代も10年前とは変わっているからこそ、花咲舞ちゃんを通して今の時代に訴えかけるものがあると思うんです。心のわだかまりとかモヤモヤみたいなものを。そういう活劇だと僕は思っているので、観ていてスッキリすると思います。実際に第1話を観て、大丈夫だなと思いました。(今田)美桜ちゃんとは年も離れてるし、どういう感じで映るかなと思ってたんですけど、舞ちゃんの先輩で頼りがないような、でもあるような相馬健としての作り方は間違ってはなかったなと。今回は美桜ちゃんをサポートするという意味でも、どんなふうに見えているかいつもよりもチェックしています。
――山本さんは相馬健の人物像をどのように捉えていますか?
山本:設定としては第一線から退かされて、自分のやるべきことだけをやっていればいいというような諦めモードから出発してるんですけど、よく言えば行動力があって、悪く言えばちょっとやりすぎで暴走してしまう舞ちゃんの姿勢に、どこかワクワク期待しているんですよね。相馬健という、消えかかったろうそくの炎が舞ちゃんによってどんどん大きくなっていくような、そんなふうに見えていったらいいなと思っています。あとは、筋トレの種目を毎回ちょっと変えていたりもしていて、どう見えるかなと思っていたんだけど、意外と大丈夫でした(笑)。
――第1話では、序盤の相馬のため息だったり、諦めかけた表情が印象的でした。
山本:そこにやる気があるトレーニングみたいなものが同時にくるから、「どういうふうに見えるのかな」というのはそういうことで。でも、それとこれとは別だから、うまく作用したなと思ってます。妹みたいな後輩をサポートをしてあげてるっていう、頼りがいのある優しさも感じましたし。いいバランスでスタートできてるんじゃないかなと思ってます。
――舞が藤枝部長(迫田孝也)を糾弾した後に、握った拳が震えてるのを相馬が見つめている時の表情も素晴らしかったです。
山本:ありがとうございます。舞の真っ直ぐで曲がったことが嫌いっていうのも、勇気がいる行動だったんだということを、僕の表情を通して表現するような描写もあるので、そこは大切に表現していかないとなと思ってます。
――以前の『花咲舞が黙ってない』で相馬を演じていた上川隆也さんが、今回は舞の叔父・花咲健として出演されていますが、現場では相馬役について何かお話をされたりしましたか?
山本:相馬役については、「もう好きにやって」なんて言ってくれるんですけど、上川さんも割と好きな感じで、本番でもいろいろやってくるんです。上川さんと僕はシリアスな役の時しか今までお仕事をしていないので、与えられたことをきっちりやってるようなイメージだったんですけど、今回の花咲健はラフな役なんですよね。役によってはいろんなことをしてくるんだって、意外でした。ビールを倒したり、余計なとこに行ってぶつけてNGを出したりとか(笑)。でも逆にそれが現場の空気を毎回変えていて、堅苦しいシーンじゃないので楽しくやれてますね。
――山本さんは上川さんが演じた相馬健から何か踏襲したり、もしくは変えようと思ったりした部分はありますか?
山本:僕と上川さんは世代も違いますし、前の杏ちゃんとのバランスも全然違うので、意識は特にはしてないです。上川さんが見守ってくれてるみたいな感じがして心強いですよ。「そうそう」ってセリフを懐かしがってましたもん。臨店班は説明セリフが多いから、それを思い出したんだと思います。