『6秒間の軌跡』高橋一生×橋爪功は言葉にならない思いを表現する “自分で選択”した星太郎

 そんなふみかの姿を目の当たりにしたことに加え、ひかりから航が以前、「俺が星太郎のことを花火師以外、選べないようにしたんじゃないか」と悩んでいたことを聞かされた星太郎は改めて考えてみる。自分の花火を極めたい、と思ったことは本当。だけど、本当に花火が好きかどうか、と聞かれたらよくわからなかった。

 花火師の息子として生まれ、職人たちとともに育ち、航から花火の作り方を教わった星太郎。その父が亡くなり、どうしようかと思っていたところにひかりがやってきて、流されるままに個人向けの花火の受け付けを始めた。コロナ禍が開けて本格的に事業を再開するも、マスコミのせいで再びやる気を失ったところに、今度はふみかがやってきて、その強い思いに感化された星太郎は花火師として復帰を果たした。

 もしかしたら、星太郎は花火師になることを選んだのではなく、選ばされてきたのかもしれない。だけど、そんなのは考えてもわからないことであって、星太郎にとって確かなのはたったひとつ。「この家に生まれて良かった」ということだった。息子がたどたどしく語る率直な思いに、ぶっきらぼうに「おう」とだけ答える父。どちらも不器用で多くを語りはしないけれど、互いを信頼し合っている高橋と橋爪だからこそ醸し出せる、言葉以上に通じ合っている2人の空気感にじんわりと心が温かくなった。

 他人のせいにすることなく自分の選択に納得し、また一つ成長したように見える星太郎。遅れてきたモラトリアム期を卒業する中で仕事への向き合い方や、ひかりやふみかとの関わり方にどんな変化が現れてくるのか楽しみだ。次週は、航の別れた元妻であり、星太郎の母である理代子(原田美枝子)も久しぶりの登場となる。またあの、ぎこちなくも嬉しさが隠しきれない星太郎を見れるのかと思ったら1週間が待ち遠しくて仕方がない。

■放送情報
土曜ナイトドラマ『6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の2番目の憂鬱』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:30~0:00放送
出演:高橋一生、橋爪功、本田翼、宮本茉由
脚本:橋部敦子
監督:藤田明二(テレビ朝日)ほか
エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
プロデューサー:中込卓也(テレビ朝日)、後藤達哉(テレビ朝日)、山形亮介(KADOKAWA)、新井宏美(KADOKAWA)
制作著作:テレビ朝日
制作協力:KADOKAWA
©︎テレビ朝日
公式サイト :https://www.tv-asahi.co.jp/6byoukannokiseki_2/
公式X(旧Twitter):@6secEx
公式TikTok:@6secex

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