『光る君へ』「心と体は裏腹」な寧子の教え 財前直見が“プロデューサー”としての視点を語る

 藤原寧子を演じる財前直見は、寧子について「一人息子(道綱)に甘い親、ひとことで言えば」と笑いながらも、妾である自身の立場を重く捉えすぎることのない寧子について「こういう環境の自分を表現するっていうプロデューサー的な目もあったんじゃないかなとは思います」と話した。

 兼家(段田安則)との関係については、「歌のために必要な人だった」「歌を書くことで兼家さんという存在が必要だった」といった先述したプロデューサー的な視点について語りつつ、「ふだん兼家さんが見せないことを、たぶん寧子の前ではしていたんだろうし」と兼家にとって安らげる場所になることを意識していたことや「見ている人もちょっとフフってほほえましくなるっていうシーンになったらいいなと思って演じていました」とのコメントを残した。

 SNSでは寧子とまひろの出会いについて「寧子さんの言う『書くことで悲しみを癒す』はこれからのまひろの魂のコアになりそう」「まひろも憧れの作家・藤原寧子さまの話に感化されてこれから物語を作る筋書きになってるんだろうなってシーンも面白かった」などの声があがっていた。

 『蜻蛉日記』を綴った寧子は「心と体は裏腹」と語る。『光る君へ』では、寧子のもとで過ごす兼家の穏やかな表情が描かれてきた。寧子と兼家の関係、寧子がまひろたちに伝えた「妾はつろうございますから、できることなら嫡妻になられませ」という言葉、そして寧子を演じた財前の言葉から、『蜻蛉日記』は妾の悲哀を描いたものでもあるが、寧子と兼家の愛に満ちた日々を描いたものでもある、と解釈できる。今後、ききょうとまひろはともに千年を超えて読み継がれる文学作品を作り出す。『光る君へ』の物語は、『枕草子』と『源氏物語』にも、新たな視点、新たな解釈を与えてくれるのではないだろうか。

■放送情報
『光る君へ』
NHK総合にて、毎週日曜20:00〜放送/ 翌週土曜13:05〜再放送
NHK BS・BSP4Kにて、毎週日曜18:00〜放送
NHK BSP4Kにて、毎週日曜12:15〜放送
出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、井浦新、高杉真宙、吉田羊、高畑充希、町田啓太、玉置玲央、板谷由夏、ファーストサマーウイカ、高杉真宙、秋山竜次、三浦翔平、渡辺大知、本郷奏多、ユースケ・サンタマリア、佐々木蔵之介、岸谷五朗、段田安則
作:大石静
音楽:冬野ユミ
語り:伊東敏恵アナウンサー
制作統括:内田ゆき、松園武大
プロデューサー:大越大士、高橋優香子
広報プロデューサー:川口俊介
演出:中島由貴、佐々木善春、中泉慧、黛りんたろうほか
写真提供=NHK

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