『正直不動産2』ディーン・フジオカの痛ましい過去が明らかに 永瀬と美波に別れの予感?
今の神木は15年前の神木とは違い、妻と息子を亡くした現実を受け入れている。けれど、自分の目には確かに見える2人との別れを望むことはない。「ほら、そこにいる」と神木は誰もいない空間にしゃがみ込んだ。その背中はあまりにも優しく、神木の目の前に息子・翔太がいるように思えた。
これまでの神木は紳士的な微笑みとは裏腹に、営業成績ナンバーワンのためならライバルのみならず顧客をも陥れる、嘘をいとわない悪魔的な営業姿勢が特徴だった。だが、「もう二度と、2人を失いたくない」と口にした神木のまっすぐなまなざしが、嘘偽りのない神木の心情を物語る。1位に強く執着するのは家族に会いたいがため。1位へのこだわりはやめないと言った神木は、物語の終わり、十影(板垣瑞生)に狙いを定める。家族以外に向ける笑顔は相変わらず悪魔のように映るが、苦しみにも感じられる神木のこだわりが最終回ではどのように描かれるのか期待が高まる。
第9回は永瀬と美波(泉里香)の恋路に進展も。美波曰く、永瀬は“最終選考”の段階にいるが、美波の心は決まっているように思える。神木の過去を知り、複雑な胸中を抱く永瀬を美波は「お風呂行きましょうか?」と外に連れ出した。「今日ちょっといろいろあって……」と乗り気ではない永瀬に、「だから行くんです」と美波は言う。美波は永瀬の心に踏み込みすぎない絶妙な距離感をとりつつも、その心情に寄り添う。そんな美波との何気ない会話が永瀬を少しずつ元気づけた。美波が永瀬の手を繋ぎ、微笑むのを見て、永瀬はぎゅっと手を繋ぎ直した。言葉のないやりとりの中にお互いを思う素直な感情が伝わってきて心があたたかくなる。
永瀬は近々、美波にちゃんと思いを伝えようと思っている。そんな折、美波はニューヨークへの異動を言い渡されていた。最終回で描かれるであろう2人の行く末も気になるところだ。
■放送情報
『正直不動産2』
NHK総合にて、毎週火曜22:00〜22:45放送
出演:山下智久、福原遥、市原隼人、泉里香、長谷川忍、松本若菜、板垣瑞生、伊藤あさひ、財津優太郎、馬場徹、松田悟志、ディーン・フジオカ、山﨑努、大地真央、倉科カナ、高橋克典、草刈正雄ほか
原作:大谷アキラ(漫画)、夏原武(原案)、水野光博(脚本)
脚本:根本ノンジ、清水匡、木滝りま
音楽:佐橋俊彦
主題歌:小田和正 「so far so good」
制作統括:黒沢淳(テレパック)、山本敏彦(NHKエンタープライズ)、長谷知記(NHK)
プロデューサー:室谷拡(テレパック)、樋渡典英(NHKエンタープライズ)
演出:川村泰祐(アンドリーム)、金澤友也(テレパック)、下向英輝
写真提供=NHK