『ゲッターロボ』がアニメ史に与えた多大な影響 愛され続けるその魅力を紐解く

『ゲッターロボ』がアニメ史に与えた影響

 最後に『ゲッターロボ』の見どころをいくつかご紹介したい。まずは第4話「燃ゆる血潮の南十字星」。ハヤトが出撃に間に合わなかったばかりにミチル救出が失敗し、激昂したムサシはハヤトを激しく殴打する。だが後半で明かされるハヤトが留守にしていた理由によって、言葉が足りない彼のキャラ付けに成功している初期の秀作。第21話「アメリカから来たロボット」は、西部劇のように2丁拳銃を操るロボット、テキサスマックが海外からやってくる。テキサスマックは後年発売された対戦型ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズにも参戦している個性的なガンマン型ロボだ。パイロットのジャックと妹メアリーの嫌味のないキャラクターも良い。

 そして人間社会にスパイとして遣わされたゴールの娘、ゴーラが登場する第22話「悲劇のゲッターQ」。早乙女博士の養女となって人間に育てられた彼女は、早乙女家の愛に触れたばかりに作戦を遂行できず苦しむ。第34話「女竜戦士ユンケの涙」もまた、恐竜帝国の女戦士がリョウに接触するエピソード。ゲッターロボを追い詰めるものの、リョウが自分に向けてくれた優しさを思い出して帝国を裏切ってしまう。これら人間の愛を知って苦悩する敵キャラクターのドラマは、脚本を担当した上原正三の得意とする展開だが、このテーマでは続編『ゲッターロボG』の第14話「友達は風になった」も涙を誘う名編なので、機会があればご覧いただきたい。

 人間が乗り込んで操縦する人型ロボットに、合体変形の概念を持ち込んだ『ゲッターロボ』はスーパーロボットの魅力が詰まったアニメである。永井豪とダイナミックプロ原作のスーパーロボットたちと共演した劇場用作品、完全新作のOVA(オリジナルビデオアニメ)の制作、前述の『スーパーロボット大戦』への参加まで、当時の子どもから、現在の大人のアニメ&ゲームファンにまで愛され続けている。SFテレビアニメ『機動戦艦ナデシコ』(1996年)の劇中劇『ゲキ・ガンガー3』もゲッターのパロディで、アニメ制作者側からもリスペクトされているほどだ。東映チャンネルでの放送を通して、ゲッターがロボットアニメ界に与えた影響を再確認しよう。

■放送情報
『ゲッターロボ』
東映チャンネルにて放送
3月3日(日)より毎週月曜日17:00~18:00放送

3月3日(日)18:00~18:30
第1話「無敵!ゲッターロボ発進」※先行無料放送
※番組内容は予告なく変更する場合があります。あらかじめご了承ください

監督:勝間田具治、生頼昭憲、川田武範ほか
脚本:上原正三、雪室俊一、田村多津夫ほか
声の出演:神谷明、山田俊司(キートン山田)、西尾徳、吉田理保子、富田耕生
©ダイナミック企画・東映アニメーション

公式サイト:https://www.toeich.jp/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる