『ブギウギ』史実には存在しない家政婦をなぜ物語に? CPが語る木野花キャスティング意図

 スズ子と大野の距離が近づいたのは、第101話。きっかけとなったのは、愛子が破いてしまった障子を大野が張替え、その上から“花型の障子を貼る”という心温まるエピソードだった。

「脚本の櫻井剛さんのアイデアですが、とてもいいセリフでしたよね。『女の子だもの、お花の障子は破きませんよ』と。なにより、木野花さんに演じていただけたことで、説得力がものすごくて。本当に素晴らしいなと思いました」

 これまでワンオペ育児を続けてきたスズ子に、SNSでは「家政婦を雇えばいいのに」といった意見も多く見られたが、福岡は「誰にも助けてもらえない状況の中、子育てしている方もたくさんいらっしゃると思うので、育児の大変さを表現するためにも、必要なストロークだったのかなと思います。男性スタッフが多いですが、僕も含めて育児の大変さが身に染みていますので、みんなで意見を出し合いながら制作しています」と裏側を明かす。

 さらには「“家族になっていくこと”がテーマでもある大野さんが、どういう思いで今まで生きてきたのか、これからどうしようと思っているのか。第22週で語られます」とし、「木野花さんの熱演によって、前向きな気持ちで生活することの大切さが感じられるシーンになっていますので、ぜひご覧いただけたら」と呼びかけた。

 そんな大野のサポートもあり、次週いよいよ「買物ブギ」がお披露目へ。“ステージ”と“生活感。『ブギウギ』が描いてきた両輪の、さらなる盛り上がりに期待が高まる。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー) 
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie

関連記事