『THE FIRST SLAM DUNK』復活上映に歓喜の声 リバイバルされるべき名作アニメは?

 ここまで挙げた作品は、ヒット作や注目作として今後もリバイバル上映が組まれそうなものが多いが、アニメ映画には終映後にあまり上映機会を得られていない作品もたくさんある。例えば、『とある飛空士への追憶』(2011年)という作品。『ゴジラ-1.0』で主役を演じた神木隆之介が、『千と千尋の神隠し』の坊のような子どもでも、『君の名は。』のような少年でもない21歳の青年の声を演じたアニメ映画だ。

 一種の戦闘機乗りという点では『ゴジラ-1.0』と役柄的に同じ。皇妃となる少女を乗せて敵と戦いながら飛んでいく中でバトルがあり恋愛もあってと心ときめくストーリーを楽しめる。NHK連続テレビ小説『らんまん』での好演も含めて神木ブームが今来ているのなら、リバイバル上映されて良い作品だ。

 あるいは『ハル』(2013年)。目下『SPY×FAMILY』や『王様ランキング』といった作品で大躍進中のWIT STUDIOが、設立当初に発表した中編アニメ映画で、『アオハライド』の咲坂伊緒がキャラクター原案を担当し、木皿泉が脚本を手がけて、京都を舞台に人とロボットの恋というSF仕立てのラブストーリーを描きだした。

『ハル』 本予告

 筒井康隆のジュブナイルが原作の細田守監督『時をかける少女』(2006年)のように、眉村卓のジュブナイル小説を大きくアレンジした『ねらわれた学園』(2012年)や、宮﨑駿監督『君たちはどう生きるか』で助監督を務めた片山一良監督が、岩原裕二の漫画を原作に、セルとCGを融合させた独特の映像で作り上げた『いばらの王』(2010年)などにもスポットを当てたいところだ。

 押井守監督が原作・脚本を手がけた沖浦啓之監督の『人狼 JIN-ROH』(2000年)も、あまり再上映が行われていなかった作品だが、この映画をオマージュしたものと『チェンソーマン』の原作者・藤本タツキが公言している劇場版『チェンソーマン レゼ編』の制作が決まったことで、改めて劇場で観たいという人が続出しそうだ。2023年12月にテアトル新宿でDCP版が初上映され、デジタル上映環境への対応が進んだこともあり、公開25周年に向けて大きく動き出すだろう。

 最後に、劇場で観てこそという意味ではやはり、爆音を響かせるレーシングマシンによるハイスピードでのバトルを描いた小池健監督の『REDLINE』(2010年)を挙げておく。映像、音響ともどもさらなるブラッシュアップの上で、大轟音上映されるべき作品だ。未だ実施された話をあまり聞かない応援上映があれば、木村拓哉が声を演じるJPに大声援が贈られ、ラストシーンで万雷の拍手が起こるだろう。

■公開情報
『THE FIRST SLAM DUNK』復活上映
1月23日(火)全国の劇場にて上映
原作・脚本・監督:井上雄彦
演出:宮原直樹、北田勝彦、大橋聡雄、元田康弘、菅沼芙実彦、鎌谷悠
キャラクターデザイン:井上雄彦、江原康之
CG ディレクター:中沢大樹
作画監督:江原康之
サブキャラクターデザイン:番由紀子
モデルSV:吉國圭、BG
プロップSV:佐藤裕記、R&D
リグSV:西谷浩人
アニメーションSV:松井一樹
エフェクトSV:松浦太郎
ショットSV:木全俊明
美術監督:小倉一男
美術設定:須江信人
色彩設計:古性史織
撮影監督:中村俊介
編集:瀧田隆一
音響演出:笠松広司
録音:名倉靖
キャスティングプロデューサー:杉山好美
音楽プロデューサー:小池隆太
2Dプロデューサー:毛利健太郎
CGプロデューサー:小倉裕太
アニメーションプロデューサー:西川和宏
プロデューサー:松井俊之
声:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太
オープニング主題歌:The Birthday(UNIVERSAL SIGMA)
エンディング主題歌:10-FEET(EMI Records)
音楽:武部聡志、TAKUMA(10-FEET)
アニメーション制作:東映アニメーション、ダンデライオンアニメーションスタジオ
配給:東映
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