2023.12.26 17:00

『たりないふたり』仕掛け人・安島隆が語る裏話　山里亮太＆若林正恭が辿り着いた景色とは

文・構成＝浜瀬将樹、取材＝花沢香里奈

“今”をギリギリまで切り取った『だが、情熱はある』

ーー当時、山里さんは「（若林に）負けた」とよくおっしゃっていましたが、一方で、若林さんは当時から現在に至るまで、山里さんのことを褒める場面が多かったですよね。

安島：「たりないふたり」という名前で括っちゃったから、ほぼ同じ人格だと思っていたんですけど、当たり前ですが、得意技も趣味嗜好も違うんですよ。その後、もう少し自覚的に僕も彼らもやれるようになってくるんですけど、2012年の『たりないふたり』の頃は本当に分かっていなかったから、モヤモヤしていたと思います。

ーーそういった変化もすべて収められているのが本シリーズですね。

安島：そうですね。『たりないふたり』から『もっとたりないふたり』でだいぶ変わっていると思います。

ーーそんな2人の半生がドラマ化した『だが、情熱はある』をご覧になっていかがでしたか？

安島：最後まで機動力のあるドラマになっていたなと思います。『DayDay.』（日本テレビ系）のシーンとか、直前にあった現実のことまではめ込んでいたじゃないですか。これは地上派の連続ドラマだからできることで、“今”をギリギリまで切り取りたい制作陣の思いを感じました。

ーー2人の物語は今でも続いていますし、『たりないふたり』のファンは一種のメディアミックスのような感覚で楽しんでいた気がします。

安島：ドラマ化するにしても、普通だったらもっと年齢を重ねた後ですもんね。2人は今も日々もがいて、うねうねやっているからこそ、まだ続いている感じがする。だから直前まで追いかけたんだと思います。

ーー最後に、『たりないふたり』をどんな方におすすめしたいですか？

安島：『たりないふたり』って、ちょっと気恥ずかしくて見返せない時期があったんですよ。すごく自意識過剰なソフトだと思っていて。初めに『たりないふたり』の演出プランを思いついたときは、主観が客観を上回っていたのに、年を重ねたら客観が上回っちゃって、恥ずかしいと思う時期もありました。「お互いコミュニケーション不全だから、ステージ上でも正面を見てパソコンでの会話から始めるって、恥ずかしくない？」って（笑）。でも今は、そうやって恥ずかしいと思うこと自体恥ずかしいんじゃないか、とも考えるんですよね……という、僕みたいな面倒くさい人におすすめです（笑）。でも、何よりもシンプルに笑ってほしいですね。学生の方や人間関係で悩んでいる方、僕がまだそうなんですけど、諦めきれないおじさんとか、世代や立場によってそれぞれ“思うこと”ってあると思うんです。『たりないふたり』を観てそんな自分ごと笑い飛ばせたら、きっと楽しいだろうなと思います。

さらに深いお話は、VAP公式サイトにて12月27日から3日連続掲載予定

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■リリース情報
『たりないふたり―山里亮太と若林正恭―』
DVD-BOX発売中
価格：12,320円（税込）
出演：山里亮太（南海キャンディーズ）、若林正恭（オードリー）
企画・演出：安島隆
構成：成瀬正人、林田晋一、佐藤満春
ディレクター：新井秀和、双津大地郎、水口健司
プロデューサー：毛利忍、佐藤俊一
チーフプロデューサー：松崎聡男
エンディングテーマ：タニザワトモフミ「四季娘」
制作協力：アンメック
企画制作：日本テレビ
製作著作：バップ

『たりふた SUMMER JAM’12』
DVD発売中
価格：6,160円（税込）
出演：山里亮太（南海キャンディーズ）、若林正恭（オードリー）
企画・演出：安島隆
構成：佐藤満春
舞台監督：中西輝彦
ディレクター：水口健司
プロデューサー：岩本公平
企画・製作・主催：日本テレビ／バップ

『もっとたりないふたり―山里亮太と若林正恭―』
DVD BOX発売中
価格：12,320円（税込）
出演：山里亮太（南海キャンディーズ）、若林正恭（オードリー）
企画・演出：安島隆、新井秀和　
構成：佐藤満春、成瀬正人、林田晋一　
ディレクター：水口健司、双津大地郎、平井正寿
プロデューサー：毛利忍、佐藤俊一
チーフプロデューサー：松崎聡男
制作協力：アンメック
企画・制作：日本テレビ
製作著作：「もっとたりないふたり」製作委員会
発売元・販売元：バップ
©「もっとたりないふたり」製作委員会