ムロツヨシ×平手友梨奈『うち弁』で開花した新たな魅力 ハマり役だった“くらあん”コンビ
一方の杏について考えてみよう。平手にとって杏という役は、正直、かなりのハマり役だった。これまで平手は、圧倒的な文才を持った現役女子高生やIQ162の人気インフルエンサーなどいつも「ずば抜けた何か」を持っている人を演じることが多かった。そういう意味では、高校3年生の時には司法試験に合格していた杏も同じように見えるが、杏にはそこに加えていい意味で“お子ちゃま感”があった。それがこれまでにないハマり役を生み出す要因となっている。
クールでスマートな感じは残しつつ、大人たちに構われ、最初は駄々をこねるように突っぱねていたものの、次第に不器用ながらに甘えようとしてる姿には成長とともにかわいさが感じられた。今では香澄法律事務所の団体芸にも参加。カオリ(安達祐実)が笠原のマネージャーとして挨拶にきた時も「元カノですね」となんだか楽しそうに言ってのけた。これから平手はさまざまな作品で女優としてのキャリアを積んでいくことだろう。時折キュートな杏に、もっといろいろな平手の演技を見てみたいと思わせられた。
杏にとってのラスボスはやはり、姉のさくら(江口のりこ)だった。何がなんでも杏を標的にしているさくらは執念深く、怖すぎる。杏の恩師である椿原(野間口徹)も「安心して。僕は誰にも言わない。この話は墓まで持っていく」と、あたかも、杏の父・昌幸(山崎一)が不正を働いて司法試験に合格させたようなことを言い、杏の味方になってくれるかは怪しい。
くらあんコンビはやっと自分たちがベストパートナーであるということに気づいたのだ。もっと香澄法律事務所でみんなでワイワイしている蔵前とツンケンしつつも楽しそうにしている杏が見たい。これは何があっても引いてはならない勝負だ。くらあんコンビの絆の強さに期待したい。
“私からは以上です”。
■放送情報
『うちの弁護士は手がかかる』
フジテレビ系にて、毎週金曜21:00〜21:58放送
TVer、FDOにて見逃し配信
出演:ムロツヨシ、平手友梨奈、吉瀬美智子、菅野莉央、日向 亘、安達祐実、村川絵梨、松尾諭、大倉孝二、酒向芳、戸田恵子、江口のりこほか
脚本:服部隆、おかざきさとこ、西垣匡基
演出:瑠東東一郎、相沢秀幸
プロデュース:金城綾香
主題歌:ザ・ローリング・ストーンズ「アングリー」(ユニバーサル ミュージック)
制作:フジテレビ ドラマ・映画制作部
制作著作:フジテレビジョン
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/uchiben_kin9/
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