鈴木亮平&黒木華、『下剋上球児』で得たかけがえのない財産 「最終回、胸が熱くなります」

 12月17日に最終回を迎えるTBS日曜劇場『下剋上球児』。放送を前に鈴木亮平と黒木華より、インタビューコメントが寄せられた。

 本作は、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描く、ドリームヒューマンエンターテインメント。主演の鈴木が野球部監督・南雲脩司を、黒木が野球部部長・山住香南子を演じるほか、井川遥、生瀬勝久、松平健、小泉孝太郎、小日向文世、明日海りお、山下美月、きょん(コットン)らが出演。球児キャストには、中沢元紀、兵頭功海、伊藤あさひ、小林虎之介、橘優輝、生田俊平らが名を連ねている。

 最終回を前にここまでの撮影を鈴木と黒木は次のように振り返る。

「テレビで見ていると自分の知っている子たちの成長を見ている気がする人も多いと思います。僕たちも彼らの成長をずっと見届けてきて、僕自身も南雲として色々乗り越えてきたので、2年ぐらい撮影している気持ちになるくらい濃密でした」(鈴木)

「こんなことはあまりないのですが、思い出がありすぎて、先生として球児それぞれに思い入れもあるので、グッときてしまいますね。観てくださっている皆さんも大好きになってくれていると思うので、より深く感情移入して観てくださるのかなと」(黒木)

 “本物”の野球シーンが魅力だった本作。2人は試合シーンでどんなことが思い出に残っているのだろうか。

「試合シーンになると本当にみんな目の色が変わるんです。もちろん台本はありますが、本当に入り込んでいるので、泣くシーンではないけど涙がでてしまったり、結果がわかっていても本番をやる度に号泣して返ってくる球児たちの姿をたくさん見ました。最終回で描く決勝戦の対戦校である伊賀商業の子たちは、原案の白山高校の当時のメンバーと対戦校の松阪商業の混合チームなんです。その話を聞いただけで胸が熱くなりました」(鈴木)

「野球のシーンは“すごい”としか言いようがないのですが、放送されていない部分でもたくさん打ったり投げたりしていて、素晴らしいプレーばかりでした。試合のシーンは越山高校の球児たちはもちろん、相手高の皆さんなしでは成立しなかったと思います。引退していった球児たちの負け試合を見ていた時は、『勝たせたかった……!』と先生として思っていました」(黒木)

 成長を続けた球児たちについて、鈴木は「撮影期間で年齢は変わっていないのに、本当に高校生が2、3年掛けて変わっていくというのはドキュメンタリーのような感じでした」とコメント。黒木は「皆さんの成長ぶりには本当に驚かされっぱなしでした。キャプテンになった椿谷は、特に」と椿谷役の伊藤あさひの奮闘を称えた。

 鈴木と黒木はこれまでも共演作は多い。そんな中でも黒木は本作での鈴木の“現場での居方”を絶賛。そんな黒木に対して鈴木も「僕も尊敬しています」と語り、「テレビで見ていて、自分がいないシーンや、いたけど気づけていなかった華ちゃんのお芝居とかにいつも楽しませてもらっていますし、感動させられています。9話で言うと、調子に乗る久我原に『ちゃう!』と間髪いれずにツッコんでいるところが好きです(笑)。ツッコミのタイミングがツボに入ってしまって、何度も見返してます」と絶賛した。そんな鈴木に対して、「私は楡が予告ホームランをした時に、南雲監督が『そんなのいらないよ!』と言うところが好きです」と黒木がコメントすると、台本にないセリフだったことを鈴木が明かした。

 キャスト・スタッフが一体となっていたからこそ作り上げることができた『下剋上球児』だったと2人は語る。

「脚本で書かれていることですが、普通調子に乗っている球児を見て『調子のんなよ』と抑え付けるかもしれませんが、南雲と山住は『それは彼らのいいところだから』となるところが面白いなと思いましたし、脚本の奥寺さんの愛なんだろうなと思いました。それぞれのキャラクターの心情の描き方が素敵ですよね」(鈴木)

「球児たちも“ザン高感”というものを意識しながらやってくれていたし、最初は“仏の南雲、鬼の山住”だったところから終盤にかけてミックスされていくところや、球児たちの個性を生かすところが素敵でした。南雲夫婦のチーム感もとても素敵だなと思ってみていました」(黒木)

 また、2人にとっても『下剋上球児』は特別な一作になったようだ。

「特別なドラマだったなと感じています。たくさんノックもしましたし(笑)。野球がこんなに楽しいものだと知れたことや、“甲子園にいく”ということが思っていた数百倍難しいことで、彼らに特別であることもわかりました。何より、“教育“ということも考えて、球児たちに何かを伝えるときには、どうやったら俳優としても、役としても彼らの今後の人生に響くかを考えました。どんどん変わっていく彼らを見て、次の世代にどう伝えていくべきか、こんなにもそれぞれの成長に喜びを感じられたことは、このドラマでいただいた財産だなと思います」(鈴木)

「これまで出演させていただいた作品は、もちろん全て大切で大好きなのですが、その中でもちょっと付箋を貼るような作品がいくつかあって、その中の1つになったと思います。きっとまたどこかで思い出すだろうし、球児たちが別の作品に出ている姿を見ても思い出すだろうし。学園ドラマに出演したことがなかったので、思い出としてブックマークするような作品になったと思います」(黒木)

 最終回のみどころについては、「甲子園にいけるかはもちろん、“部活ってなんだろう”とか、“どうして僕たちはスポーツをするんだろう”とか、その先の人生でこれがどう役に立っていくのか……みたいなところも描いているのがぐっとくるところかなと思います。あと、監督として具体的に1つ言うと、『犬塚翔のピッチング』です! これはもう、撮影云々ではなく最高のピッチングを見せられると思いますので、ぜひご覧ください!」と鈴木。黒木は「当初から塚原監督や新井プロデューサーがそこを描きたいとおっしゃっていましたが、果たして甲子園にいけるのかはもちろん、みんながそれぞれどう成長していくのか“部活のその先”についても見どころかなと思います」とコメント。

 最後に視聴者へ向けて、「最終話、いよいよ試合開始です! 果たしてザン高野球部は甲子園にいけるのか……! 最終回をまずは存分に楽しんでいただき、俳優としてもこれから球児キャストたちの今後の活躍を見守っていただければと思います。最終回、胸が熱くなりますので、ぜひご覧ください!」と鈴木がメッセージを送った。

■放送情報
日曜劇場『下剋上球児』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:鈴木亮平、黒木華、井川遥、生瀬勝久、明日海りお、山下美月、きょん(コットン)、中沢元紀、兵頭功海、伊藤あさひ、小林虎之介、橘優輝、生田俊平、菅生新樹、財津優太郎、鈴木敦也、福松凜、奥野壮、絃瀬聡一、鳥谷敬、伊達さゆり、松平健、大倉孝二、小泉孝太郎、小日向文世
原案:『下剋上球児』(カンゼン/菊地高弘著)
脚本:奥寺佐渡子
プロデュース:新井順子
演出:塚原あゆ子、山室大輔、濱野大輝
編成:佐藤美紀、黎景怡、広瀬泰斗
製作:TBSスパークル
©TBSスパークル/TBS(撮影:ENO)
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/gekokujo_kyuji_tbs/
公式X(旧Twitter):@gekokujo_kyuji
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