『ブギウギ』趣里&水上恒司の前に立ちはだかるのは? 『カムカム』安子と重なる恋模様

 朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)でヒロイン・スズ子(趣里)にとって運命的な男性との出会いが描かれる。スズ子が生涯でたった一人愛したその人は、彼女の大ファンで大阪にある日本随一の演芸会社・村山興業の御曹司・村山愛助(水上恒司)。まだ学生で彼女より10歳年下の愛助は最初は恥ずかしがってスズ子のことを直視できない。今は“尊敬する憧れの相手”としてスズ子を眼差し接する愛助の視線が、ここからどう変化していくのか楽しみで仕方ない。彼らの関係性が発展し急接近するきっかけを見逃さないようにしたい。

 愛助の学ラン姿を見ると、思わず思い出してしまうのが『カムカムエヴリバディ』(NHK総合/以下、『カムカム』)での初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の初恋相手で、後に結婚相手となる稔(松村北斗)だ。稔が大学生、安子が14歳と年齢設定は異なれど、立派な会社の御曹司で好青年であるところは愛助と稔の共通点だろう。また彼らの恋路と戦争が切っても切り離せない関係である点も両作に共通している。安子は稔から教えてもらった英語も、そして稔自身も戦争に奪われてしまうことになるわけだが、まさに今、スズ子も自分らしい歌やスタイルを戦争によって取り上げられ、思うようにステージができない。そんな中、自分の歌や存在を丸ごと受け止め全面的に肯定してくれる、世代の違う愛助との出会いにきっと心底励まされ、“自分”を取り戻せた気がしたのではないだろうか。

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 『カムカム』では身分差のある恋愛ゆえに彼らの前には稔の両親という高い障壁が立ちはだかるも、最終的には父・千吉(段田安則)が安子の人柄に触れ、彼らの結婚を推し進めた。稔の母・美都里(YOU)も強烈だったが、愛助の母親・トミ(小雪)もまたかなり手強そうだ。女手一つで村山興業を日本を代表する興行会社へと成長させた関西の女傑、かつ愛助はその一人息子ということでこれは一筋縄にはいかないだろう。

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