『きのう何食べた?』“アラフィフ”だからこそ誕生日を喜びに シロさんの言葉が心に染みる
「パートナーが、大きな病気もケガもなく無事ひとつ歳を取ったんだよ。めでたいことの何が悪い」
変化を受け入れることは時として怖く感じられる。歳を取ることがめでたく感じられない気持ちもわかる。けれど、シロさんが言うように、病気もケガもなく1年を過ごしたことは祝うべき、喜ばしい出来事だ。ケンジはシロさんの気持ちを汲んだ。2人はささやかだけれど幸せな誕生会を開き、お互いの誕生日を祝った。
第7話は序盤に描かれた老眼鏡のくだりと同じく、思わずふっと笑ってしまうような演出で終わる。小日向(山本耕史)と航(磯村勇斗)から贈られたお祝いの花には「50」という派手なバルーンがついていた。ケンジがシロさんの年齢をうっかり航に漏らしたのだ。中盤で描かれた、誕生日を祝われたくないとごねるケンジとシロさんの口論も、言いたいことを素直に言い合える仲に愛おしさを覚えたが、「やっぱ結構気にしてんじゃん」「なんかわかんないけど、50はショックなんだよ、50は」とクッションを投げ合う2人のやりとりもまた微笑ましい。
スーパーアキヨシでは、スーパーのお姉さん(唯野未歩子)に「お似合いですよ」と言われ、シロさんが老眼鏡をかけ直すのを見て、ケンジが途端にやきもちを焼いていた。老眼鏡をかけ、セールに心を高鳴らせる“アラフィフ”の姿は一風変わっているが、とてもシロさんらしい。すぐに感情が表に出るケンジの素直さも、いくつになっても変わらないだろう。
2人の何気ない日常が、歳を取っても変わらないものを教えてくれた、そんな幕引きとなった。
■放送情報
ドラマ24『きのう何食べた? season2』
テレビ東京系にて、毎週金曜深24:12~放送
Lemino、U-NEXTにて、各話放送終了後から第1話〜最新話見放題配信
出演:西島秀俊、内野聖陽、山本耕史、磯村勇斗、マキタスポーツ、田中美佐子、田山涼成、梶芽衣子
原作:よしながふみ『きのう何食べた?』(講談社『モーニング』連載中)
脚本:安達奈緒子
監督:中江和仁、松本佳奈、平田大輔
音楽:福島節、澤田かおり
チーフプロデューサー:祖父江里奈(テレビ東京)
プロデューサー:阿部真士(テレビ東京)、佐藤敦、瀬戸麻理子
企画監修:神田祐介
制作:テレビ東京、avex pictures
制作協力:オフィス・シロウズ
製作著作:「きのう何食べた? season2」製作委員会
©︎「きのう何食べた? season2」製作委員会 ©︎よしながふみ/講談社
公式サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/kinounanitabeta2/
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