アンドレイ・タルコフスキー監督『ノスタルジア』4K修復版、2024年1月26日公開決定

 アンドレイ・タルコフスキー監督作『ノスタルジア 4K修復版』が、2024年1月26日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほかにて全国順次公開されることが決定した。

 54年という短命な生涯ながら、全8作品の劇映画を世に送り出し、今なお多くの映画人や芸術家に影響を与え続けるタルコフスキー。イングマール・ベルイマンに「タルコフスキーは私にとって最も偉大な監督だ」と言わしめ、クリストファー・ノーランやアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥといった現代の映画監督たちも彼からの影響を公言している。

 1962年に長編1作目となる『僕の村は戦場だった』を監督、ヴェネチア国際映画祭でサン・マルコ金獅子賞等を受賞。1967年にロシアの伝説的な画家を描いた『アンドレイ・ルブリョフ』を完成させるが、歴史解釈をめぐってソ連当局の激しい批判を受け、5年間の上映禁止を言い渡される。一方で、同作は1969年のカンヌ国際映画祭で国際映画批評家連盟賞を受賞。その後も『惑星ソラリス』『鏡』『ストーカー』を発表。だがソ連国内の厳しい検閲は依然としてあり、ソ連を出国。はじめてソビエト連邦国外のイタリアで製作されたタルコフスキー監督作が、長編6作目となる『ノスタルジア』だ。

 モスクワからイタリアにやってきた詩人アンドレイ・ゴルチャコフと通訳の女性エウジェニア。2人は、ロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの足跡を辿る旅をしていたが、旅の終盤アンドレイは病に冒されていた。そんな中、2人は、世界の終末が訪れたと信じ家族で7年間も家に閉じこもり、人々に狂信者と噂されるドメニコという男に出会うのだった。

 タルコフスキーは本作を3年半の歳月を費やして完成させ、1983年のカンヌ国際映画祭で「この映画の創造に対する特別大賞」「国際映画批評家連盟賞」「エキュメニック審査員賞」の3冠に輝いた。

 今回公開される「4K修復版」は、2022年に撮影監督であるジュゼッペ・ランチ監修のもと、ローマのチネテカ・ナチオナーレの協力で4K修復が行われ、ボローニャ復元映画祭2022でワールドプレミアされたもの。

 あわせて公開されたポスタービジュアルでは、本作の中心的な登場人物の1人であるエウジェニア(ドミツィアナ・ジョルダーノ)の後ろ姿を捉えたカットが使用されている。

 また、12月1日よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下では、オリジナルB3ポスター付き前売券が1500円(税込)で発売される予定だ。

前売り特典オリジナルB3ポスター

■公開情報
『ノスタルジア 4K修復版』
2024年1月26日(金)より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国順次ロードショー
監督・脚本:アンドレイ・タルコフスキー
脚本:トニ一ノ・グエッラ
撮影監督:ジュゼッペ・ランチ
出演:オレーグ・ヤンコフスキー、エルランド・ヨセフソン、ドミツィアーナ・ジョルダーノ
配給:ザジフィルムズ
宣伝協力:プンクテ
1983/イタリア=ソ連合作/ビスタ/カラー/126分/原題:Nostalghia
©1983 RAI-Radiotelevisione Italiana.LICENSED BY RAI COM S.p.A.-Roma-Italy, All Right Reserved.
公式サイト: http://www.zaziefilms.com/nostalghia4k/

関連記事