リドリー・スコット監督がホアキン・フェニックスを語る 『ナポレオン』新場面写真公開

 12月1日に公開されるホアキン・フェニックス主演映画『ナポレオン』の新場面写真が公開された。

 本作は、歴史に名を刻むフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトが、いかにして皇帝の座へ上りつめたのかを描くApple Original Filmsによる伝記映画。1789年、自由、平等を求めた市民によって始まったフランス革命。天才的な軍事戦略で諸外国から国を守り皇帝にまで上り詰めた英雄ナポレオンは、最愛の妻ジョゼフィーヌとの奇妙な愛憎関係の中で、フランスの最高権力を手に何十万人の命を奪う幾多の戦争を次々と仕掛けていく。冷酷非道かつ怪物的カリスマ性をもって、ヨーロッパ大陸を勢力下に収めていくが……。フランスを“守る”ための戦いが、いつしか侵略、そして“征服”へと向かっていく。彼を駆り立てたものは、一体何だったのか。

 監督を務めたのは、『グラディエーター』や『オデッセイ』などのリドリー・スコット。主人公ナポレオン役は『ジョーカー』のフェニックスが演じ、スコット監督と『グラディエーター』以来23年ぶりのタッグを組んだ。ナポレオンの妻ジョゼフィーヌ役には、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』や『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』のヴァネッサ・カービーが扮した。

 公開された新場面写真はキャラクターにフォーカスしたもの。“英雄”のイメージから一変、悪魔の一面を覗かせるナポレオン(ホアキン・フェニックス)の表情や、オレンジ色のライトに照らされる妻・ジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)らの姿が切り取られている。

 『ナポレオン』の製作に取り掛かる直前に公開された『ジョーカー』でのフェニックスの演技に魅了されたというスコット監督は、「ナポレオンは戦場において怪物のような存在で、いかに人を欺き、荒廃させるかを知っています。無慈悲です。しかし彼のアキレス腱はジョゼフィーヌでした」と語り、フェニックスについては「これまで一緒に仕事をした中で最高の俳優の一人」とも語っている。また、「私はホアキンを見つめながら、“この小さな悪魔はナポレオン・ボナパルトそのものだ”と言いました。 彼はナポレオンに似ています」とフェニックスとナポレオンの類似性にも言及した。

 ナポレオンに関する膨大な量の書籍を読み漁り、リサーチを進め、ナポレオンに近づこうとしたというフェニックスは「リドリーとまた仕事がしたいという、とてもノスタルジックな思いがあった」と語る。しかし、スコット監督は「ホアキンがやってきて、“どうしたらいいのか分からない”と言うのです。私は“なんだと!?”と答え、彼はもう一度“どうしたらいいのか分からない”、と。私たちは10日間、一日中座って、1つ1つのシーンについて話し合いました。ある意味、リハーサルを行ったのです。とにかく細部に渡って」と振り返った。この結果、すでに台本は固まりつつあった頃だったが、台詞を大幅に削減しシーンが単純化され、視覚的な合図や身体的なジェスチャーが代わりに重要な役割を果たすようになったという。

 また、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた『私というパズル』や、マーガレット王女を演じた人気シリーズ『ザ・クラウン』でカービーに惚れ込んでいたというスコット監督。ナポレオンの“運命の女性”ジョゼフィーヌを演じたカービーは、依頼されたその晩に脚本を読んでとても気に入り、準備期間として1カ月を与えられた。そして、書籍などからリサーチを進め、ジョゼフィーヌの領地であったマルメゾンで多くの時間を過ごし、墓にも訪れたという。カービー日く、ジョゼフィーヌがもつ多面的な女性像はとても魅力的だと感じながらも、その複雑さゆえに役作りには苦労したそうだが、スコット監督は「すべてはヴァネッサの力量です。素晴らしい俳優です。情報を得るための努力、自分で行うリサーチ、それらが様々な形で現れています。私は驚かされるのが大好きです」とコメントを残した。

■公開情報
『ナポレオン』
12月1日(金)公開
監督:リドリー・スコット
脚本:デヴィッド・スカルパ
出演:ホアキン・フェニックス、ヴァネッサ・カービー、タハール・ラヒム
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト:www.napoleon-movie.jp

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