ケリー・ライカート監督作『ファースト・カウ』12月22日公開 ドーナツがつなぐ友情描く

 ケリー・ライカート監督作『First Cow(原題)』が、『ファースト・カウ』の邦題で12月22日よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほかにて全国公開されることが決定した。

 アメリカ本国ではA24が配給を行った本作は、ジョナサン・レイモンドの小説『The Half-Life』を映画化したもの。舞台は西部開拓時代のオレゴン州。アメリカンドリームを求めて未開の地にやってきた料理人のクッキーと、中国人移民のキング・ルー。共に成功を夢見る2人は自然と意気投合し、やがてある大胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である牛からミルクを盗み、ドーナツで一攫千金を狙うという甘い甘いビジネスだった。

 監督を務めたのは、『ウェンディ&ルーシー』『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』などのケリー・ライカート。日本で彼女の作品を観られる機会は限られていたが、2021年に特集上映「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」が開催されると、満席回が続出し大きな話題になった。そんなライカート監督の劇場初公開作となる本作は、第70回ベルリン国際映画祭金熊賞にノミネートされたほか、世界中の映画祭で計157部門にノミネート、27部門を受賞した。『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノ監督は本作について、「私には決して真似のできないものであって、とてつもなく、うらやましい」と語っている。

 キャストには、『オーヴァーロード』のジョン・マガロ、『プレッシャー・ポイント』のオリオン・リー、『ハンガー・ゲーム』シリーズのトビー・ジョーンズらが名を連ねている。

 なお、ライカート監督は、10月23日より日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催される第36回東京国際映画祭で来日することも決定している。

■公開情報
『ファースト・カウ』
12月22日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿武蔵野館ほか全国公開
監督・脚本:ケリー・ライカート 
脚本:ジョナサン・レイモンド
出演:ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ
配給:東京テアトル、ロングライド
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