朝ドラ『ブギウギ』“桃色争議”を通して見えたスズ子の気丈さ 劇団員と本社が全面対決
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』第3週は、スズ子(趣里)が涙ながらに和希(片山友希)の退団を引き留める激動の展開。演出を担当する大和(蒼井優)の下で、劇団員たちが一致団結して進んでいこうとした矢先、第14話では梅丸少女歌劇団(USK)にさらなる激震が走った。
本作の舞台設定は大正から昭和にかけての時代。世界恐慌の波は大阪にも押し寄せ、USKを運営する梅丸の大熊社長(升毅)は賃金と人員削減を断行する。給料は3分の2に切り下げられ、スズ子が面倒を見ていた新人たちも解雇。一度は残ると決めた和希もUSKを去ることになった。非情な通告に大和は憤り、会社側と話をつけようとする。
大和は解雇の撤回と労働に見合った賃金・休暇を求めて、会社に嘆願書を提出する。「レビューガールとしての誇り」をもって「きちんとした待遇のもとで歌って踊り、演奏する権利」を守るため、闘争も辞さない決意だった。
若いレビューガールたちの闘いは「桃色争議」と呼ばれ、新聞でも報道された。当初は穏便に解決しようと考えていた大和や橘(翼和希)だったが、次第に雲行きが怪しくなる。
スズ子の自宅を訪れた本社の社員は、一時金を支払う代わりに闘争から身を引くように要求した。買収しようとしたのだ。なかには股野(森永悠希)のように誘いに応じた者もいた。股野は大和に思いを寄せていたので、こんな時こそ良いところを見せてほしかっただけに残念である。対照的にスズ子は、一時金を出すくらいなら和希や新人たちに払ってほしいとキッパリと言い放った。