朝ドラ『ブギウギ』鈴子が同期のために渾身の“一芝居” 病によって強まった花田家の絆

 鈴子の急病はただの風邪だったが、結果的に様々なものをもたらした。時季外れの桃を求めてほうぼうを訪ね歩くツヤに、ゴンベエ(宇野祥平)が差し出した桃は、記憶を失ったキャラクターの不思議さをいっそう引き立てた。病によって家族の絆は強くなったが、同期の結束は軍師・鈴子のはかりごとによるものだった。

 さっきまで元気だった鈴子は「ワテもうあかんのや。踊られへんかもしれへんわ」と嘆く。見舞いに来た幸子と辰美に、「ホンマはあんたらのことちょっと尊敬しててん」「必ずやデビューしたるいう2人の気持ちはホンマすごい」「あんたらが同期でホンマよかった思うてる。ワテの分も頑張ってほしいわ」と、病人とは思えない長台詞で畳みかける。迫真の演技に胸を打たれた2人は、その場で仲良くすると約束し肩を寄せ合った。

 空気を読まない熱々先生と六郎によって、せっかくの名演もふいになったが、鈴子の熱意は幸子と辰美に伝わった。雨降って地固まり、禍を転じて福とした鈴子に名女優の片鱗を見た。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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