伊藤沙莉、『虎に翼』クランクイン 寅子は「朝ドラにあまりなかったタイプのヒロイン」

 伊藤沙莉が主演を務めるNHK連続テレビ小説第110作『虎に翼』が、9月28日に茨城県つくばみらい市のオープンセットでクランクインを迎えた。

 2024年度前期、NHK東京が制作を務める本作は、日本初の女性弁護士で後に裁判官となった一人の女性を描いたリーガルドラマ。

 タイトルの『虎に翼』とは、中国の法家・韓非子の言葉で、「鬼に金棒」と同じく「強い上にもさらに強さが加わる」という意味がある。五黄の寅年生まれで“トラママ”と呼ばれたという本作のヒロインのモデル、三淵嘉子にちなみ、主人公の名前は寅子(ともこ)で、あだ名は“トラコ”。法律という翼を得て力強く羽ばたいていく寅子が、その強大な力にとまどい、時には悩みながら、弱き人々のために自らの翼を正しく使えるよう、一歩ずつ成長していく姿がイメージされている。

 NHKよるドラ『恋せぬふたり』で向田邦子賞を受賞、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)などを手がけてきた吉田恵里香が脚本を担当する。

 主人公・猪爪寅子役の伊藤も初日から参加し、寅子とともに「法」を学ぶ明律大学の仲間たちとのシーンを中心に撮影がスタートした。

 伊藤は撮影初日を迎えて、「1年間同じ役を演じるということも、あまりない経験です。長期間の撮影になるので、いろんなことがあると思いますが、常に大きな軸となっていければいいなと思っています。皆さんも自分自身も楽しくいられるように心がけたいです」と決意のコメントを寄せた。

 制作統括の尾崎裕和は、寅子のモデルの三淵嘉子と『ブギウギ』のヒロインのモデル笠置シヅ子が同じ大正3年生まれであることを明かし、「これから放送まで約半年、来週から放送の『ブギウギ』を楽しんでいただきながら、『虎に翼』も楽しみにしていただければ嬉しいです」とメッセージを送った。

 また、あわせて番組ロゴが公開された。デザインを手掛けたのは、グラフィックデザイナーの三宅瑠人と岡崎由佳。ロゴのコンセプトについて、「社会の矛盾や不平等と格闘しながらも、希望を持って未来を見つめる寅子や当時の女性たち。凛としていてしなやかな文字に彼女たちへの敬意を込めています」とその意図を明かしている。

コメント

伊藤沙莉(主演)

ついに初日の撮影を迎えました! スタッフさんやキャストの皆さんがいい雰囲気の現場にしてくださっていて、ありがたいです。
1年間同じ役を演じるということも、あまりない経験です。長期間の撮影になるので、いろんなことがあると思いますが、常に大きな軸となっていければいいなと思っています。皆さんも自分自身も楽しくいられるように心がけたいです。
寅子はとてもまっすぐな子なので、真正面から見ていただきたいです。当時の方々の一生懸命さがあって今があること、今に繋がる何かを感じてみていただけたらと思います。
寅子はこれまでの朝ドラにあまりなかったタイプのヒロインだと思います。頑張る人たちや、一生懸命に生きている人たちが描かれているので、元気と素敵な時間をお届けできればと思います。見守っていただけたら嬉しいです。

三宅瑠人&岡崎由佳(番組ロゴデザイン担当)

社会の矛盾や不平等と格闘しながらも、希望を持って未来を見つめる寅子や当時の女性たち。凛としていてしなやかな文字に彼女たちへの敬意を込めています。
寅子が着ることになる当時の法服の胸元には唐草模様の刺繍があったといいます。
身近な野草の花々をあしらった唐草模様を制作することで、市井の人々への共感を忘れなかった三淵嘉子さん(寅子のモデル)の思いを表現できればと考えました。

尾崎裕和(制作統括)

連続テレビ小説『虎に翼』クランクインです! 収録は、主人公を育んだ実家のオープンセットの街並みからスタート。晴れわたる青空のもと、伊藤沙莉さん演じる私たちの猪爪寅子が力強い第一歩を踏み出しました。実は寅子のモデルの三淵嘉子さんは、『ブギウギ』ヒロインのモデル笠置シヅ子さんと同じ大正3年生まれ、同時代を生きた女性です。これから放送まで約半年、来週から放送の『ブギウギ』を楽しんでいただきながら、『虎に翼』も楽しみにしていただければ嬉しいです。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
NHK総合にて、2024年春放送
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、上川周作、森田望智、仲野太賀、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、戸塚純貴、岩田剛典、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

関連記事