『ノキドア』他人事とは思えない優花の悩み ほろ苦くて切ない倒理と氷雨のすれ違いも
また、世界は案外広いのだ。学校という檻のなかにいる時は勘違いしてしまうが、“キャラクター”はワンパターンではない。たくさんの人と接するようになると、「人間そのものがカテゴライズされない生き物」だと気付く。時には場を仕切ってみたり、後輩キャラになって甘えてみたり、いじったり、いじられたり。たくさんの自分に出会っていくうちに、“自分は他人からどう見られているのか”なんて気にならなくなっていくものだ。
「前に、君は俺のことを自然体だと言った。でも、こう見えて人の目を気にする。そして、そのことを知るのはごく少数だ」
倒理が指す“少数”には、もちろん氷雨の存在が入っているのだろう。ただ、倒理は本当の氷雨を理解しているのだろうか。「倒理がいなくなったら、僕が君を追いかけるよ」と言っておきながら、「じゃあお前がいなくなったら、俺がお前のこと……」と返そうとした倒理をさえぎり、「追いかけないで！」と突き放した氷雨。あまりにも強く訴えていたため、どこかに消える気があるのでは？ と勘繰ってしまった。
痛みを共有しているつもりでいる倒理と、人知れず痛みを抱えている氷雨。2人のすれ違いが、ほろ苦くて切ない。彼らのいびつな関係性を解く鍵は、やはり6年前の“あの”密室事件にあるのだろうか。
■放送情報
『ノッキンオン・ロックドドア』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00～23:30放送
出演：松村北斗（SixTONES）、西畑大吾（なにわ男子）、石橋静河、畑芽育
原作：青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』（徳間書店）
脚本：浜田秀哉
監督：堤幸彦ほか
音楽：fox capture plan
主題歌：SixTONES 「CREAK」
ゼネラルプロデューサー：中川慎子（テレビ朝日）
プロデューサー：田中真由子（テレビ朝日）、尾花典子（ジェイ・ストーム）、長澤佳也（オフィスクレッシェンド）、小林麻衣子（テレビ朝日）
制作協力：オフィスクレッシェンド
制作：テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日
公式サイト：https://www.tv-asahi.co.jp/knockin_on_locked_door/