柴咲コウ、『君たちはどう生きるか』は『クルエラ』に続く“声”の代表作に?

 今回柴咲が『君たちはどう生きるか』で演じたのは、異世界に迷い込んだ主人公・眞人が初めて出会う女漁師のキリコ。キリコは眞人とともに異世界へと巻き込まれ、人形の姿となった使用人の老婆の若い頃の姿でもある。彼女は謎の生き物を捌いたり、ワラワラたちの世話をするなど、異世界の不思議な雰囲気を一層引き立てる存在として、作品にインパクトを残していた。

『君たちはどう生きるか』場面写真、ボイスキャスト公開 トロントなど海外映画祭での上映も

宮﨑駿監督の長編アニメーション最新作『君たちはどう生きるか』の場面写真、ボイスキャストが公開された。  本作は、宮﨑監督の10…

 一方で、キリコはぶっきらぼうな一面から優しさが伝わりにくい一面もある。後半には『千と千尋の神隠し』に登場する姉御キャラクター、リンを彷彿とさせる面倒見の良さものぞかせるキリコだが、話し方や声によって、見えている画以上に彼女の心根の良さは序盤から十分に伝わっていた。ジブリ作品への出演は初めてとなる柴咲だが、彼女の声の演技は若き日のキリコが持つ強さとぶっきらぼうな優しさを丁寧になぞらえていたのではないか。

 『君たちはどう生きるか』の柴咲コウの声の演技には、実写映画とアニメの両方から得た豊かな経験が注ぎ込まれている。おそらく、これからも多くの作品に柴咲は声優として出演することだろう。ジブリの最新作として注目を集める本作だが、芸歴25年の節目におけるマルチタレント・柴咲コウの真摯な声が刻まれた映画としても、重要な位置を占める作品になりそうだ。

参照

※ https://www.cinemacafe.net/article/2021/05/25/72999.html

■公開情報
『君たちはどう生きるか』
全国公開中
出演:山時聡真(眞人)、菅田将暉(青サギ ・ サギ男)、柴咲コウ(キリコ)、あいみょん(ヒミ)、木村佳乃(夏子)、木村拓哉(勝一)、大竹しのぶ(あいこ)、竹下景子(いずみ)、風吹ジュン(うたこ)、阿川佐和子(えりこ)、滝沢カレン(ワラワラ)、國村隼(インコ大王)、小林薫(老ペリカン)、火野正平(大伯父)
原作・脚本・監督:宮﨑駿
主題歌:米津玄師「地球儀」
製作:スタジオジブリ
配給:東宝
©2023 Studio Ghibli

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