ヤンチャすぎた子役・ラヤンの撮影秘話も 『君は行く先を知らない』メイキング映像公開

 8月25日に公開されるパナー・パナヒ監督長編デビュー作『君は行く先を知らない』のメイキング映像が公開された。

 2021年の第74回カンヌ国際映画祭監督週間でワールドプレミアを迎え、同年の東京フィルメックスコンペティション部門では、仮題『砂利道』として上映された本作。『白い風船』『チャドルと生きる』『人生タクシー』で知られるジャファル・パナヒがプロデュースを務め、息子のパナーが監督を務めた。

 荒涼としたイランの大地を走る1台の車。後部座席では足にギプスをつけた父が悪態をつきながら、旅に大はしゃぎする幼い次男の相手をしている。助手席の母はカーステレオから流れる古い歌謡曲に体を揺らし、運転席では成人した長男が無言で前を見据えている。次男が隠し持ってきた携帯電話を道端に置き去ったり、尾行に怯えたり、転倒した自転車レースの選手を運んだり、余命わずかなペットの犬の世話をしたりしながら、一家はやがてトルコ国境近くの高原に到着する。旅の目的を知らない次男が無邪気に騒ぐ中、両親と長男は……。

 本作に4人家族の次男として出演しているラヤン・サルラクは、2020年の映画撮影当時、6歳。彼にジョークやモノマネの才能を見出した両親は、子供向け演技クラスに入学させ、2017年12月のショーで子役としてデビューした。そして、国際演劇祭への参加をきっかけに、多くの監督の目に留まり、イラン映画やテレビシリーズに出演した。

 パナー・パナヒ監督は、「自分の知り合いにこの映画の子役の明るくて元気でうるさい子、というイメージを伝えたところ、みんながラヤンを推薦したんだ。僕が見ていないTVドラマに出演していて、その映像を見て彼しかいないと思ったんだ。 オーディションで彼に会ったのは3人目だったんですが、会場に入ってきた瞬間、そのエネルギーと、自然な所作に、何も喋らずに彼だと決めたんです」とオーディションもせずにラヤン・サルラクに決めた経緯を明かした。

 さらに、撮影現場でのエピソードについて「実は、現場はみんな彼から逃げてたんです。誰か手を休めているとずっと隣でおしゃべりするんです。ずっと動いてイタズラもしますし、本当に大変でした(笑)。まるで小さい怪物のよう。でも演技指導についてはしっかり聞いてくれました。 ある日ロケ地を探しに行く時にラヤンが車に乗ってきたんです。その移動の2時間ずっと喋り続けるものだから、僕自身泣きそうになりました(笑)。とにかくエネルギーがすごい。そのせいで他の役者さんから僕がラヤンくんにかかりっきりだと言われたくらい。撮影が終わったらみんな彼から逃げちゃうほどで、本当に疲れました(笑)」とコメント。 また、「ラヤン君は日本のアニメが大好きだから、その真似をしてキャラクターを作っていたのかもしれないな」と裏話も語った。

『君は行く先を知らない』メイキング映像

 公開されたメイキング映像では、ラヤン・サルラクの撮影での裏側が切り取られており、メイクをされている姿や、撮影の合間に座っているスタッフによじ登る様子などが映し出されている。

 また、映画の公開を記念して、ヴィンテージTシャツ専門ショップ「anytee」とのコラボTシャツとキャップが数量限定で発売されることが決定。本アイテムは、8月12日から「anytee」公式サイトで発売が開始され、Tシャツは映画公開日から新宿武蔵野館でも販売される。

■公開情報
『君は行く先を知らない』
8月25日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
脚本・監督:パナー・パナヒ
製作:ジャファル・パナヒ、パナー・パナヒ
出演:モハマド・ハッサン・マージュニ、パンテア・パナヒハ、ラヤン・サルラク、アミン・シミアル
配給:フラッグ
後援:イラン・イスラム共和国大使館イラン文化センター
2021年/イラン/ペルシャ語/1.85:1/5.1ch/カラー/93分/G/日本語字幕:大西公子/字幕監修:ショーレ・ゴルパリアン/原題:Hit the Road
©JP Film Production, 2021
公式サイト:https://www.flag-pictures.co.jp/hittheroad-movie/
公式Twitter:@hittheroad0825

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