『真夏のシンデレラ』と『シンデレラ』の共通点 夏海のサンダルは “ガラスの靴”?

 『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)の第4話では、健人(間宮祥太朗)が夏海(森七菜)を好きだということを匠(神尾楓珠)に宣言。匠もまた、夏海と佳奈(桜井ユキ)の間で揺れる気持ちに少しずつ整理がついている様子だ。いよいよ8人の恋が本格的に動き始める予感がする。そんな中で、本作がタイトルに「シンデレラ」とつけた理由が徐々に浮き彫りになっているように感じた。今回は、『真夏のシンデレラ』と『シンデレラ』の物語の共通点について掘り下げていきたい。

 『シンデレラ』は、もともとドイツのグリム兄弟やフランスの文学者シャルル・ペローが書いた童話であり、これを下敷きにバレエ作品や、ディズニーアニメーション『シンデレラ』(1950年)、実写映画『シンデレラ』(2015年)などが生まれている。多くの人が知るあらすじは、「意地悪な継母と義姉にいじめられていたシンデレラがフェアリーゴッドマザーの力で舞踏会に出席。そこで王子に見そめられるも魔法が解ける前に慌てて城を後にする。その時に片足だけ落としたガラスの靴を王子が届けることで再会する」というものだ。だからこそ『シンデレラ』と聞いて皆がイメージするのは “ガラスの靴”だろう。

月9ドラマ「真夏のシンデレラ」ポスタービジュアル撮影に潜入!

 ここで一番に目が行くのが、夏海のサンダル。第1話では夏海のサンダルのトングが切れてしまい、サンダルが片足だけ脱げそうになるというシーンがあった。そしてこのエピソードは、健人が誕生日プレゼントとして新しいビーチサンダルを渡すことで回収される。フジテレビの公式YouTubeチャンネルにアップされたポスタービジュアルの撮影風景で、夏海が履いているサンダルは片足だけ。撮影の合間に間宮がこれをさして「なんで?」と森に尋ねており、森は「シンデレラだから」と答えているのだ。

 さらに、第3話から第4話にかけての夏海の父親・亮(山口智充)と弟・海斗(大西利空)の行動も気になるところ。亮は夏海がサップの大会に行くための渡航費とホテル代を使ってしまうなどして、夏海の夢を妨害することに。さらに台風がきた日も夏海を一人家において亮は近所の年寄りの家、海斗は彼女の家に様子を見に行ってしまい、その後の食堂「kohola」の修復作業も結局夏海だけが率先して取り組んでいるのだ。健人や匠、愛梨(吉川愛)らが助けにきてくれたものの、家族が全く関与しないという点では、生活のための活動に非協力的だったシンデレラの継母や義姉の存在を想起させる。もちろん亮や海斗には夏海をいじめようなどという気持ちはないだろうが、2人の頼りなさは結果的に夏海を家に縛り付けることにもなるだろう。

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