『BLEACH 千年血戦篇』は出戻りファンでも楽しめる! 押さえておくべき3人の死神

 『BLEACH』は、登場キャラクターがとても多い作品だ。それが作品自体の魅力ではある一方で、様々な陣営に多くのキャラクターがいて、その思惑や人間関係が交差する中で生み出される作品展開には、これから『BLEACH』を観ようとするアニメファンや出戻りをしたい作品ファンを敬遠させてしまっている感が否めない。ただ、やはりアニメでの隠れた演出や、登場人物たちの心情、発言の裏に隠れた真意を読み解き、7月から放送される『BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-』を存分に楽しむためには、重要な人物だけでも把握しておく必要がある。

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 本稿では、最終章における死神側のキャラクターの中でも主人公の黒崎一護との関係性に焦点を当てて紹介したい。『千年血戦篇』には、破面(アランカル)や滅却師(クインシー)、さらに死神代行消失編のキャラクターたちも登場するが、やはり2クール目で鍵を握るのはクインシーが尸魂界(ソウル・ソサエティ)に再侵攻するにあたって、それを迎え撃とうとする死神サイドのキャラクターだろう。主人公と彼らの関係性やそれぞれのキャラクターの性格、背負っているものを理解することで、物語の展開やキャラクターの行動がより面白くなる。2クール目をしっかりと楽しむために、重要人物たちをチェックしてみよう。

1.平子真子

 平子は、死神が所属する組織・護廷十三隊五番隊の隊長を務める、金髪でおかっぱ頭、関西弁のキャラクター。110年前も五番隊隊長を務めており、当時副隊長だった藍染の上官で当時から藍染を警戒していた人物の一人だった。破面編で「仮面の軍勢(ヴァイザード)」のリーダーとして登場し、一護に対して虚化の力の使い方を教える。

 その後、一護にとって第二の師のような存在となり、たびたび仲間である一護を想う発言が見られている。たとえば、破面編の最終局面において、藍染と対峙した護廷十三隊の隊長たち。一度倒したと思われた十刃(エスパーダ)が復活し、絶体絶命の危機に陥ったところで、突如現れた仮面の軍勢。かつて尸魂界で藍染によって魂魄を虚化させられたことで、虚として消滅させられそうになった平子たちに対して、山本元柳斎重國は、味方なのかと訊く。平子は、背を向けながら「あかんわ。俺らはあんたらの味方ちゃう。俺らは藍染の敵。ほんでもって一護の味方や」と答えた。「一護の味方」(一護のために来た)という一言に込められた平子の想いに息をのんだファンも多いのではないか。仮面の軍勢は元隊長や副隊長などがメンバーだが、普段はお互いに冗談を言い合ったり、茶化し合ったりする様子も見られる。しかし、この平子の発言に対して仮面の軍勢のメンバーは誰一人として否定することもなく、むしろその一言を合図として無言の同意を返してそれぞれ藍染一派との戦いに臨んでいったようにすら見えた。

 『千年血戦篇』においても、一護と平子の関係性が垣間見えるシーンがある。ユーハバッハが去ったあと、意識を取り戻したルキアに何もできなかったと不甲斐なさげに話す一護に対して、平子は、「アホか。お前が敵の親玉追っ払ったんやんけ。お前が来てへんかったらもっと無茶苦茶になっとったわ。もっとシャキッと胸張らんかいボケ」とぶっきらぼうな言い方ながらも一護を気遣い、元気づけようとする様子を見せていた。

TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』PV第3弾/2023年7月8日テレビ東京系列ほかにて第2クール放送開始

 実はアニメの2クール目では、平子の活躍が大いに期待されている。原作では日の目を見ることがなかった平子の卍解が披露されることがすでに先行公開された2クール目のPVから確定しているためだ。どのような卍解なのかは小説などでは明らかになっているものの、『千年血戦篇』でクインシー相手に使うというのは、久保帯人監修の下で実現した原作ファン待望の完全なアニメオリジナルであり、2クール目の一つの目玉とも言えるだろう。

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