岡本昌也の舞台『怪獣は襲ってくれない』再演決定 新谷ゆづみが舞台初出演で初主演

 新谷ゆづみが主演を務める舞台『怪獣は襲ってくれない』が8月30日より新宿シアタートップスで上演される。

 2022年5月に岡本昌也初の東京都内プロデュース公演として初演した『怪獣は襲ってくれない』。今回、AOI Pro.主催公演として、物語の舞台となる新宿・歌舞伎町で満を持しての再演となる。

 歌舞伎町のビル横にたむろして奇抜な服装・行動をし、社会問題になっているトー横キッズと呼ばれる若者たち。作家自ら歌舞伎町に赴きリサーチを重ね、歌舞伎町の社会学を研究する佐々木チワワへの取材を元に脚本を執筆した本作は、再演にあたり、新たなキャラクターと新たなエピソードが加わる。衣裳は、地雷系・量産型ぴえん系ファッションと呼ばれる若者ファッションのムーブメントを、yushokobayashiが再解釈して製作する。

 脚本・演出を手がける岡本は、AOI Pro. エンタテインメントコンテンツプロデュース部が手がけるクリエイターチームAOI biotope所属。昨年は世田谷パブリックシアター『シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.14』で『凪げ、いきのこりら』の脚本・演出を務め、また文化庁委託事業「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2022」にて映画『うつぶせのまま踊りたい』の脚本・監督を務めた。

 15歳のこっこはスマホと充電器だけを持って、シケた街から7時間電車を乗り継いだ。新宿・歌舞伎町。ギンギラギンのアーチを抜けると、でかい怪獣がフリーズした映画館があって、その横に灰色の空洞がある。そこでは、宿題のたまった少年少女たちが界隈を作ってたむろっていた……。

 キャストには、主演の新谷をはじめ、葉月ひまり、小林桃子、坪根悠仁、細井じゅん(コンプソンズ)、伊藤泰三、遊屋慎太郎、未来、雛野あき(安住の地)、波多野比奈が名を連ねた。

 2019年にさくら学院を卒業し、映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』などで知られる新谷が演じるのは、スマホと充電器だけを持ち、田舎から新宿歌舞伎町の「界隈」へと足を踏み入れる15歳のこっこ。新谷は本作が舞台初出演・初主演となる。

 こっこに「界隈」を案内する夢露を葉月、「界隈」のカリスマにゃんぎまりを小林、新キャラクターのにぃとぽんを坪根がそれぞれ演じる。なお、小林と坪根はともに今回が初舞台となる。

 演に続いての出演となる細井と伊藤は、それぞれ虎之助役、塩田役を担当。遊屋は子どもたちを導く年齢不詳のゼウス、未来は子どもたちをケアするNPO法人の理事・畑中、雛野と波多はともにトー横キッズを演じる。

コメント

新谷ゆづみ(こっこ役)

脚本を読むたびに、新宿の今という情景が浮かび上がってきます。田舎から身一つで新宿に飛び出したこっこのように何か行動を起こすきっかけは人それぞれにあって、そこには言葉にならない理由があると思います。初めての舞台になりますが、言葉にならない感情などを自分なりに表現できたらと思います!

葉月ひまり(夢露役)

舞台『怪獣は襲ってくれない』で夢露役を演じます、葉月ひまりです。夢露は性自認が男性の14歳ということで、演じたことのない役柄で難しくもありますが、どういう風に演じていこうかなと今からとてもワクワクしています! また、この舞台のために作られたオリジナルの衣裳も楽しんでいただけるのではないかなと思います。ぜひ劇場でお待ちしています!

小林桃子(にゃんぎまり役)

この度、にゃんぎまり役を演じます小林桃子です。にゃんぎまりは界隈の中で人気を誇るカリスマ的存在です。明るく可愛らしいキャラクターですが、同時に心には複雑な思いを持っていると思います。そんな彼女の心の内を知っていきながら、大胆に繊細に演じていきたいです。観て下さる皆様の目に映るにゃんぎまりが、豊かであるように、精一杯頑張ります。

遊屋慎太郎(ゼウス役)

年齢不詳で自らをトー横キッズ達を“導いていく”存在だと称する男、ゼウス役を演じます、遊屋慎太郎です。僕にとっても、そしておそらく皆さんにとってもほとんど未知の場所であるトー横。ですが、それはファンタジーのような特別な世界の話ではなく、生身の人間が集まって作り出している実際の現象。それを忘れずにこの作品と向き合っていけたらと思います。宜しくお願いします。

細井じゅん(虎之助役)

初演に続き出演させていただきます細井じゅんと申します! 「今、新宿という場所でこの作品をやる」ということ自体に意味と価値があるものだと思っております。様々な不都合や面倒なことに目を逸らして生きていくことは楽ですが、向き合わないといけない責任ってやっぱりあると思います。勿論これは自分にも常々言い聞かせないといけないことです。一緒に頑張って生きていきたいものですね! どうかよろしくお願い致します!

坪根悠仁(にぃとぽん役)

今回が初舞台となるのですが、以前から舞台には挑戦してみたいと思っており、再演となる『怪獣は襲ってくれない』の新キャラクターとして出演させて頂けることをとても嬉しく思います。この世界の一部となって皆さんにお届けできると思うととても楽しみであり、1人でも多くの方に共感していただきたい作品です。

未来(畑中朔子役)

畑中朔子を演じます、未来です。現代の抱える問題に直結する内容のお芝居に出られるという事で大変プレッシャーを感じますが、丁寧に座組みの皆様と作品を作っていけたらと思います。作品の舞台である“新宿”に立つ劇場で上演する事にも意味と責任を感じます。観にきて頂くお客様、そして私自身にも無関係な物語ではない。すぐそばの“界隈”で、何を考えて日々を生きている人々がいるのか。お客様に届きます様に。頑張ります!

伊藤泰三(塩田役)

地方出身の私にとって、歌舞伎町は無縁な存在でした。しかし、実際、その街を歩いてみると、なぜか妙に落ち着く。喧騒の中でも落ち着く。東京に来る度に目的もなく歌舞伎町を徘徊するようになりました。気がつけば私もこの街にすっかり取り込まれてしまっていたのです。歌舞伎町があらゆる土地と地続きに存在するように、トー横界隈の若者の物語はあらゆる人と無関係ではありません。上演を楽しみにしています。

雛野あき(ことり役)

小さくて、でもすごく大きな叫び声が聞こえます。「あんたはどーなの?」と問いかけてくる声に、真摯に向き合いたいと思います。今を生きているはずの多くの方に、この作品をお届けできるよう、魅力あるスタッフ・俳優陣と共に、最後まで生き抜き、駆け抜けます。再演で演者として関われること、岡本さんの世界観を間近で感じられることがとても嬉しいです。新宿シアタートップスにてお待ちしております。

波多野比奈(ヤミ姫ちゃん役)

ヤミ姫ちゃん役を演じさせていただきます、波多野比奈です。 トー横は、自分がだれであるかを気にしなくていい、世間で背負わなければならない役割を降りていられる場所なのかもしれないと思いました。 公演中は観劇している人も、役を演じている人も 、その時間だけは普段背負っている役割から降りることが出来る作品であると思います。ともに公演を創る皆さまと、観に来てくださる皆さまと、劇場で刹那に生きられたら、とても嬉しいです!

岡本昌也(脚本・演出)

なぜこんなにも彼らのことを描きたいと思うのだろう。ある出演者の「目を背けちゃいけないことなので」という言葉にハッとする。そう、これは目を背けちゃいけないことなのだ。でもそうなんだけど、それだけじゃない。背けるどころか、目を惹きつけてやまない彼らの輝きは、ニュースになるといつも捨象されてしまって……そうだ、それごと描かなくちゃいけない。彼らが爛々と存在していること、それ自体を。

yushokobayashi(衣装)

昨年、初演を見た時に『不思議の国のアリス』を思い出した。迷い込んだ世界で少女は、出会った人々に誘われてどんどんと形を変えていく。物語と違って、簡単に大きくはなれないし、都市で生きる彼女たちは傷つき、痛みを忘れるために傷に傷を重ねていく。残酷でありながらも、今に対しての生のエネルギーをとてつもなく感じた。私たちの作った衣裳が物語の一部となるとき、彼女らが自分たちの生活を、楽しく美しくしたいと思いながら、手に取った洋服でありますように。

■公演情報
舞台『怪獣は襲ってくれない』
【料金】(全席指定・税込)
パンフレット付S席:12,000円、yushokobayashi ZINE付S席:12,000円、一般:7,600円、U-25:4,500円
会場:新宿シアタートップス(東京都新宿区新宿3-20-8 WaMall TOPS HOUSE ビル4階)
公演日程: 8月30日(水) ~ 9月3日(日)全8回公演
8月30日(水)19:00
8月31日(木)19:00
9月1日(金)15:00/19:00
9月2日(土)14:00/18:00
9月3日(日)13:00/17:00

【チケット】
公式先行:チケットぴあ(https://w.pia.jp/s/kaijustage23of/)
一般発売:チケットぴあ(https://w.pia.jp/t/kaiju-stage/)
先行販売: 7月5日(水)12:00 ~ 7月11日(火)23:59
※出演者のFC先行と公式先行があり ※先行はU-25の取り扱いなし
一般発売: 7月22日(土)10:00~
公演・チケットに関するお問い合わせ:スタイルオフィス(stage.contact55@gmail.com)

出演:新谷ゆづみ、葉月ひまり、小林桃子、坪根悠仁、細井じゅん(コンプソンズ)、伊藤泰三、遊屋慎太郎、未来、雛野あき(安住の地)、波多野比奈
脚本・演出:岡本昌也
衣装:yushokobayashi
主催:株式会社AOI Pro.
エグゼクティブプロデューサー:保坂暁
プロデューサー:伊藤夏恵
公式サイト:https://kaiju-stage.com/
公式Twitter:@kaiju_stage
公式Instagram:@kaiju_stage

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