100年の時を経て蘇る無声映画 『雄呂血<4Kデジタル修復版>』7月8日放送

 阪東妻三郎が主演を務めた映画『雄呂血<4Kデジタル修復版>』が7月8日に、特別番組『阪妻と「雄呂血」~田村家の100年~』が7月1日に時代劇専門チャンネルで放送される。

 『雄呂血』は、1925年(大正14年)に公開され大ヒットとなった無声映画。ラスト15分に及ぶ大立ち回りは、日本映画最高のチャンバラシーンとして知られている。戦災や劣化などにより、ほとんどが失われた戦前の日本映画にあって、主演の阪東妻三郎本人が大切に保管していたことで、今日でも完全に近い形で鑑賞可能な奇跡の作品となっている。

 今回の4Kデジタル修復版は、素材調査で発掘された、劇映画としては現存する日本最古のものとなる国宝級のオリジナルネガを最大限に活かし、88000コマにおよぶ手作業でのノイズ除去や上映速度の調整を経て、公開当時の状態に限りなく近づけたバージョンとなる。さらに、国立演芸場花形演芸大賞の金賞を受賞している活動写真弁士・坂本頼光と、数々の映画音楽を手がけ、海外でも評価の高い作曲家・清水靖晃によるコラボレーションが作品に新たな命を吹き込んだ。

 また、7月1日に放送される特別番組『阪妻と「雄呂血」~田村家の100年~』は、『雄呂血』の4K修復作業の舞台裏と田村一家の歴史を追ったドキュメンタリー作品。阪東妻三郎(本名・田村傳吉)を父に持つ俳優の田村亮、そして息子の田村幸士が今も残る京都の旧田村邸を訪れ、在りし日の“阪妻”の記憶をたどっていく。

『雄呂血』修復前

『雄呂血』修復後

『雄呂血』オリジナルネガ

■放送情報
『阪妻と「雄呂血」~田村家の100年~』
時代劇専門チャンネルにて、7月1日(土)22:00〜ほか
出演:田村亮、田村幸士

『雄呂血<4Kデジタル修復版>』※2K放送
時代劇専門チャンネルにて、7月8日(土)20:00〜ほか
出演:阪東妻三郎、関操、環歌子、春路謙作、中村吉松、山村桃太郎、中村琴之助、嵐しげ代、安田善一郎、森静子
監督:二川文太郎
原作・脚色:寿々喜多呂九平
製作総指揮:牧野省三
撮影:石野誠三
1925年11月公開/モノクロ:スタンダード:サイレント
©マツダ映画社

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